2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18530129
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
BRAUN R・A The University of Tokyo, 大学院・経済学研究科, 教授 (90329334)
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Keywords | 社会保障 / 消費税率 / 源泉徴収 / 医療費 |
Research Abstract |
本年度の研究は社会保障と生涯にわたる労働供給に関する政府政策の効果をモデル化することに一定の成果をあげることができた。すなわち、エージェントが生涯にわたる労働供給の決定を行うモデルの定常状態を説明し解決することである。我々のモデルではエージェントは消費税率、労働、貯蓄に直面する。また、彼等は日本の厚生年金保険に基づく社会保障プログラムへの社会保障貢献を行っている。利益は個人の生年と年によって異なる。我々はまた、健康管理システムの下での貢献と利益についてもモデル化した。最後に、我々は国債についてもモデル化した。我々は低い人口成長、退職者の高い割合、家計の労働供給決定と富についてのより高い長期負債GDP率などの効果についても考察を行った。我々の第1の所見は、将来の日本にとって最も大きな疑問点は老化に対し社会保障システムをどのように適応させていくか、ということ指し示している。また一方でもし日本が厳密な源泉徴収方式による社会保障システムに従うならば、将来の税金はそれほど上がらないだろう、ということも指し示している。もし消費税が政府の予算制約の現在の価値バランスを保つよう調整されるならば、消費税は現在の5%から10%にあがる。しかし、厳密な源泉徴収方式の下では社会保障利益の置換率は1990年の34%から最終定常状態の20%(我々の予測では2050年)にまで下がる。その代わり、もし社会保障の置換率が34%にとどまり、消費税が上がった場合、それは16%近くか、ヨーロッパ諸国と同レベルにまであがるであろう。第2の所見は低い出生率と低い死亡率の相乗効果は医療費をまかなっていた税率には大した影響は与えない、ということである。我々のモデルにおいては年齢による医療費支出を計測するのに実際のデータを用いた。もしこれらの支出が経済の他の支出と同じ率になるのであれば、医療貢献率は1%程度しかあがらない。
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