2008 Fiscal Year Self-evaluation Report
Research on Nonlinear Economic Systems: From Cognition to Self-organization
Project/Area Number |
18530131
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Economic theory
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
NISHIMURA Kazuo Kyoto University, 経済研究所, 教授 (60145654)
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Project Period (FY) |
2006 – 2009
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Keywords | カオス / 認知 / 自己組織化 / 非線形 / 外部性 |
Research Abstract |
本研究は、人間の認知と行動に対するミクロ的アプロ-チと、人的資本、成長、国際経済と自己組織化に対するマクロ的アプロ-チを統合することにより、新しい経済理論を構築しようというものである。 各経済主体は、それぞれの目的に照らして、現実を認知し、意思決定を行うが、多数の経済主体が同時的に行動すると、個々の主体の認識する与件が、他の主体の行動により変化する。その結果、多数の個人の集合体である組織の形成と、各主体の意思決定の相互依存関係が研究対象となる。多数の組織から成る市場の動き、複数の経済から成る地域経済や国際経済の均衡とその動学、一国の経済とその成長過程、そして多数国の国民経済の連関へと、また、教育投資、技術革新、経済と社会保障とミクロからマクロへと視点を次第に拡張する際に、同様の構造が繰り返し現れる。相互依存の結果としてもたらされる市場均衡の動学、そしてその経済へのフィ-ドバックが、テ-マを位置づけている。 また、経済学のみでなく、物理学など他分野の研究者との共同研究および学際的視野を必要とする社会問題まで包含する。 具体的には、ミクロレベルで、経済主体(家計・企業・政府)による与件の認知、学習が各主体の行動に及ぼす相互依存関係を、実験、解析と数理モデルにより分析し、マクロレベルで、非線形動学モデルによる経済分析を深化させる。関連する経済の自己組織臨界現象の研究、行動経済学の研究についても、学際的共同研究を行う。
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