2006 Fiscal Year Annual Research Report
制限従属変数パネルデータの非線形動学ミクロ構造モデリングとその応用
Project/Area Number |
18530152
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
照井 伸彦 東北大学, 大学院経済学研究科, 教授 (50207495)
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Keywords | 非線形率効用関数 / 内生性問題 / 閾値離散選択モデル / 構造モデリング |
Research Abstract |
制限従属変数パネルデータの非線形動学ミクロ構造モデリングに関して、パラメトリックなモデリングについて閾値型の非線形モデルに視点をあて、下記の点について研究を行った。 1.制限従属変数に対応する潜在変数の非線形構造のパラメトリックな統計的モデリング 離散選択モデルにおける消費者の確率効用関数を通常の線形関数から非線形関数U=f(X)+εで一般化し、その計量モデル構築のために閾値変数の存在を仮定して、非線形関数を閾値定義域上で区分的に線形な関数で近似する方法を提案したTerui and Dahana(2006)のモデリングをさらに発展させるとともに、このモデルが適用可能な他の非線形構造を表わす経済理論や経済・経営現象を各分野の文献を精査して探った。そのひとつとして、広告量が消費者のブランド選択に与える影響が非線形であると認識されていることから、この問題の非線形モデリングを実施した。 2.構造モデリングと政策シミュレーション 上記のモデリングにおいては、価格は効用に対して外生変数として規定して簡略化されるが、現実には企業行動としては消費者のブランド選択および購買行動を見てそれによって価格を変化させていると考えるのが妥当であり、価格と売上げには同時決定の関係を仮定してモデル化する必要がある。本年度は、この内生性の問題あるいは構造モデリングを上記閾値型非線形制限従属変数モデルについて研究するうえで必要な先行研究のサーベイを実施した。さらに複数の制限従属変数間に内生的に同時決定される場合の未着手の問題に関して、この制限従属変数間に内生性が発生する場合のバイアスの評価および推定法についても、先行研究の文献を精査した。
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