2006 Fiscal Year Annual Research Report
線形制約付縮小推定量のブートストラップ法による精度評価
Project/Area Number |
18530159
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
大谷 一博 神戸大学, 経済学研究科, 教授 (00106626)
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Keywords | 縮小推定量 / リッジ回帰推定量 / ブートストラップ法 / 精度評価 / Stein型分散推定量 / Pitman nearness基準 |
Research Abstract |
1.縮小推定量の一つに、リッジ回帰推定量がある.本研究では、lluang(1999)によって考察された回帰係数を個別に推定するためのリッジ回帰推定量を取り扱った.このリッジ回帰推定量のモーメントの厳密な公式が導出されたが、この厳密な公式は、非常に複雑で、また未知母数に依存するため、極めて取り扱い難いものである。このことから、推定値の精度を表す標準誤差を評価するのが極めて困難であるので、ブートストラップ法を利用して個別回帰係数のリッジ回帰推定量の精度を推定する手順を考察した。モンテカルロ実験の結果は、ブートストラップ法によって推定される個別回帰係数のリッジ回帰推定量の精度は、かなり正確であることを示している.応用例として、ブートストラップ法によって日本の輸入需要関数を推定した。 2.線形回帰モデルの誤差分散を推定する縮小推定量の一つに、回帰係数の線形制約に対する予備検定を行って得られるStein型分散推定量がある。本研究では、含まれるべき説明変数が誤って省略された、いわゆる定式化の過誤がある線形回帰モデルを考え、Stein型分散推定量と通常の分散推定量をPitman nearness(PN)基準のもとで比較した。PN基準を表す確率の厳密な式が導出され、この厳密な式に基づいて確率を数値的に計算した.平均自乗誤差を基準にしたとき、モデルが正しく定式化されていれば、Stein型分散推定量の方が通常の分散推定量よりも優れていることは良く知られている。しかし、PN基準のもとでは、モデルが正しく定式化されていれば、通常の分散推定量の方がStein型分散推定量よりも優れている、という逆の結果が得られることを見出した。定式化の過誤があるときは、これら二つの推定量の優劣は付けられないことも、併せて見出した。
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Research Products
(5 results)