2008 Fiscal Year Annual Research Report
文化経済学的視点に基づいた美術および美術品に関する統計的研究
Project/Area Number |
18530161
|
Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
勝浦 正樹 Meijo University, 経済学部, 教授 (70224467)
|
Keywords | 文化芸術産業 / 美術産業 / サービス業基本調査 / ミクロデータ |
Research Abstract |
本年度は,昨年度に行ったサービス業基本調査のミクロデータ(総務省統計局より提供)による再集計の結果を利用し,文化芸術産業の中における美術産業について,様々な側面からの分析を行った.特に芸術家としての美術家,教授業としての絵画教授所などを含んだ美術産業の特色を明らかにするために,他の文化芸術産業(劇団や楽団など)に関しても分析を行った.各産業の事業所数,従業者数,収入,経費,設備投資額などを概観した上で,主に以下のような属性から各産業の特徴を明らかにした. (1)従業員規模(2)地域特性(3)経営組織(4)従業上の地位(5)収入階級 また,同様の分析を行った過去の結果と比較した時系列的な考察も行った. その結果明らかになった文化芸術産業の特徴は,まず,事業所の規模は他のサービス産業と比較しても小さいことである.これは事業所あたりの従業者数や収入などから読み取ることができる.特に教授業は規模の小さい事業所が多くなっている.また地域別には,文化芸術産業は大都市,特に京浜地域と阪神地域に,かなり集中していることが明らかになった.さらに経営組織でみると,他の産業に比べて会社の割合が小さく,法人ではない団体の割合が非常に高くなっており,経営の基盤がしっかりしていないことがわかった.そして従業者は,常用雇用者の割合が低く,臨時雇用者の割合が高くなっている.また収入階級別データに基づきジニ係数を産業別に算出すると,収入(売上高)の格差が文化芸術産業では大きくなっていることがわかった.
|
Research Products
(5 results)