2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18530179
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
曽 道智 Tohoku University, 大学院・情報科学研究科, 教授 (60284345)
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Keywords | 空間経済学 / 国際貿易 / 輸送費 / 多産業の集積 / Pollution haven effect / コンフリクト / 仲裁 / 経済実験 |
Research Abstract |
本課題は「空間経済学の研究」と「コンフリクト解消」の2部からなっている。空間経済学に関して、次の結果が得られた。 1.国際経済学と融合し、収穫逓増生産技術が現れるときのhome market effectを分析した。成果はJapanese Economic Reviewに掲載した。その後続研究も行い、成果は2つの国際学会に報告した。 2.環境経済学にPollution haven effectが知られている。製紙産業などにおいて、汚染がひどく、エネルギーの消費が高い。これらの産業は環境規制の緩い地域に移転すると思われている。しかし、実証分析はこの種の移転をあまり観察していない。本研究はHome market effectの立場からこの現象を究明し、環境規制と産業立地の多様的な関係を明らかにした。成果はJournal of Environmental Economics and Management(2009)に掲載した。 3.これまで開発経済学に地域格差の研究が多く行われてきたが、ほとんどの場合は2地域に限定して解析的な分析をしている。そのため、国際間と国内間の格差を同時に分析することができない。本研究はfootloose-capital modelを用いて2国4地域の空間を想定し、解析的に国際間・地域間の格差を検証することができた。成果はJournal of Urban Economics(2010)に掲載した。 4.地域の経済集積をfirst natureとsecond natureだけによる分析は多く見られるが、本研究は両者が併存するときの地域経済状況を分析し、それぞれの集積メカニズムを明らかにした。成果はJournal of Regional Scienceに受理され、いま印刷中である。 コンフリクト解消に関して、日米大学の学生の間に交渉・仲裁実験を行い、文化の違いによる交渉の失敗そして調停への影響を分析した。そのうえ、日米の文化の違いを調べることもできた。研究成果はThe Southern Economic Journal(2009)に掲載された。
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