2008 Fiscal Year Annual Research Report
中東欧進出日系企業の世界戦略・地域戦略と企業内ネットワーク構築
Project/Area Number |
18530180
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
大石 達良 Kochi University, 教育研究部人文社会科学系, 教授 (00223719)
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Keywords | 日本企業 / 国際経営 / 企業内ネットワーク / 拡大EU / 中東欧 |
Research Abstract |
今年度も、昨年度に引き続き、中欧地域に生産拠点を築いている日系電気機械企業に関して、西欧の既存生産拠点と中東欧の新規生産拠点が、どのような役割分担・分業関係を形成しているか、またこの役割分担・分業関係がどのように変化してきているかについて研究を行った。研究の一環として、2008年8月下旬から9月上旬に、中東欧地域の日系企業生産拠点等の現地調査を行った(ハンガリー3カ所、チェコ2カ所、ポーランド1カ所)。 今年度の研究では、日本企業の西欧拠点から中東欧地域拠点への生産移管に関して検討を行った。調査を行った企業の多くでは、生産体制の戦略決定は日本本社の事業部により行われ、その戦略の中で欧州地域での生産移管も決められていた。そして具体的な生産移管の実施は、欧州の西欧生産拠点と中東欧地域生産拠点との間で進められていた。その場合、中東欧生産拠点が過去において西欧生産拠点の分工場的位置づけを持っていたり、中東欧生産拠点の社長を西欧生産拠点の社長が兼ねていたりといったような、両拠点の間に密接な関係があるケースが多く見られた。また、生産移管後、両地域の生産拠点の間で、水平的あるいは垂直的分業関係が新たに形成され、このような分業関係に基づいて欧州全域での生産体制が作られていた。ただし、一部の企業では、中東欧地域への生産移管後、西欧拠点での生産を停止している場合があった。しかし、このようなケースでも、多くの場合は、西欧拠点に研究開発・販売・地域統括などの新たな役割を与え、欧州全域での新たな企業内ネットワークを構築していた。
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Research Products
(1 results)