2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18530187
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
吉村 弘 The University of Kitakyushu, 社会システム研究科, 教授 (30034862)
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Keywords | 経済政策 / 地域経済 / 地域再編 / 人口移動 / 経済力移動 / 経済力移転 / 所得移転 / 地域間再分配政策 |
Research Abstract |
本研究の目的は、地域間人口移動は地域の観点からは経済力の移転であり、その経済力移転が地域間経済力格差を生じさせる極めて重要な要因であるとの基本的認識に基づいて、地域間再分配政策の根拠を地域間経済力移転への正当な代償であるという点に求めた上で、現在日本のデータに即して、その移転額を実証的数量的に推計することである。 初年度(平成18年度)は研究計画のうち「研究枠組みの構築」を終え、2年目(平成19年度)は、それに基づいて、都道府県間人口移動のうち、データもしっかりしており、しかもそれに伴う所得移転も推計可能であるにもかかわらず現在まで行われてこなかった「大学等への就学に伴う人口移動と所得移転額」を推計し、学会発表及び査読済み学術論文として公表した。本研究は就学に伴う人口移動だけではなく、すべての人口移動を対象としているが、就学に伴う人口移動については明確は結果が得られたので、3年目(平成20年度)は、これを発展させて全人口移動について「平成7~12年の都道府県間人口移動の推計」を完成させ、それに伴う所得移動を推計し、論文「地域間人口移動と経済力移動」として結実させた。そこでは、昨年度までの成果の上に、新たに、男女別・年齢階級別・地域別の人口純転入数(転入-転出)を推計し、それに、別に推計した男女別・年齢階級別・地域(都道府県)別生涯余剰(所得-消費)を乗じて、男女別・年齢階級別・地域別の生涯余剰を求め、これより各地域の生涯余剰を求めた。これによって、「地域間人口移動の、地域の生涯余剰への効果」を推計した。 最終年度(平成21年度)は、この成果に基づいて、前年度に求めた生涯余剰のうち、その全体ではなく、(本研究の目的である)「移転」部分のみを抽出して、「地域間の人口移動に基づく、地域間「移転額」の推計」を行った。
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Research Products
(5 results)