2006 Fiscal Year Annual Research Report
トヨタ自動車における生産システムの国際移転パターンの進化に関する調査研究
Project/Area Number |
18530191
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
公文 溥 法政大学, 社会学部, 教授 (50061239)
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Keywords | トヨタ生産方式 / 生産システム / JIT / 国際移転パターンの進化 / 技術移転 / トヨタ自動車 / 海外工場 / 欧州 |
Research Abstract |
本調査研究の課題は、トヨタ自動車を対象として、生産システムの国際移転のパターンを実証的に研究することである。ここで生産システムとは、いわゆるトヨタ生産方式をさす。トヨタ自動車は、JIT (Just-in-Time)と「自働化」の二本柱で、このシステムを表現しているが、現場作業者の熟練が、それらを実現する条件であるので、本研究では、二本柱に現場作業者の高度な熟練形成を加えて、三つの条件を移転の要素とする。今年度は、欧州におけるトヨタ自動車の乗用車生産工場を対象として、現地調査を行った。イギリス、トルコ、チェコの工場と、欧州におけるトヨタ自動車の地域統括本社の四つを訪問し、経営者にインタビューをおこなった。その結果、明らかになったこと簡潔に述べる。上記の三っの要素のうち、いわゆる二本柱の技法は移転されていた。そして、現場従業員の高度な技能形成に関しても、イギリスとトルコの2工場については、かなり移転されていた。二つの工場は、1992年(イギリス)と1994年(トルコ)に操業を開始しており、10年を超える経験を持っていることが寄与している。この中で、トルコの工場は今回初めて訪問したが、意外にも、従業員の技能レベルは極めて高く、トヨタ内部の製品の品質監査において、トップであった。チェコの工場は、PSAプジョー・シトロエンとの合弁事業であるが、トヨタ側が生産を担当していた。2005年に操業を開始したので、従業員の技能レベルは初期段階である。しかし、二本柱の技法については、最新のものを適用していた。トルコとチェコの工場にっいて研究論文を作成中であり、今年6月の国際自動車学会(GERPISA)で報告することになっている。
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Research Products
(2 results)