2008 Fiscal Year Annual Research Report
ロシアにおける産業構造の再編:工業分野における企業行動と産業政策を中心に
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18530204
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤原 克美 Osaka University, 世界言語研究センター, 准教授 (50304069)
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Keywords | ロシア / 産業構造 / 産業政策 / 企業行動 |
Research Abstract |
平成19年度から20年度にかけて,8月危機後に成長軌道に乗ったロシア経済の構造変化・分極化を,産業政策の変遷とあわせて検討した。連邦政府の地域発展プログラムを検討し,ナターリヤ・ズバレーヴィチの論文を翻訳したが,その成果は平成20年度に公表された。また今年度は,政府の経済発展プロムグラムの策定に直接かかわったボリス・クズネツォフ氏(ロシア政府部門間分析センター)の研究報告「Russian Economic Policy2008-2020」に対し,コメンテーターとして発言すると同時に,具体的な目標や展望について質問する機会を得た(比較経済体制研究会第27回年次研究大会,9月27日,於:京都大学)。 従来はこのように産業政策を中心に研究を進めてきたが,年度後半は企業研究に重点を置いた。近年の経済成長のなかで企業行動そのものにも変化が生じているか否かが最大の関心ではあるが,企業行動を検討する前提として,その組織的変化もあわせて考察した。具体的資料としては以前から購読している繊維産業の業界紙のほか,機械工業についての資料も収集した。現地調査では独自のサンプルはそれほど得られなかったが,ロシアの複数の研究機関が実施した企業調査を分析した。その成果は「ロシアにおける株式会社」としてまとめている(筆者担当箇所は脱稿)。 なお,研究遂行過程で,議論の前提となるソ連時代の事実について再確認の必要性を認識し,過去の資料にもあたった。そのため,研究を総括する単著の執筆は当初の予定通り進行していないが,できるだけ早期に発表したいと考えている。
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