2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18530213
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
栖原 学 日本大学, 経済学部, 教授 (50139078)
|
Keywords | 工業生産指数 / 農業生産指数 / ソ連 / 帝政ロシア / ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国 |
Research Abstract |
本研究の直接の目的は,1913-1990年におけるソ連のマクロ経済指標を,ソ連政府が公表してきた公式統計とは独立に,新たに推計することである。このような代替推計を行なうのは,公式統計が経済実態を正確に表現しておらず,経済成長を過大評価していると思われるためである。平成18年度においては,このような代替推計に関する研究の第一年目として,次のような研究が行なわれた。 (1)ソ連期における,ソ連全体およびソ連の一共和国としてのロシア・ソビエト連邦社会主義共和国(RSFSR,現在のロシア連邦の前身)に関する工業生産指数の推計を行なった。この結果は,2007年3月に行なわれた一橋大学経済研究所の21世紀COEプロジェクト「社会科学の統計分析拠点構築」の研究会において発表された。残念ながら,軍需製品の生産についての推計が十分でないように思われるので,引き続いて19年度においてもすでに推計された指数のさらなる彫琢に努めたい。 (2)本研究の自然な延長として,帝政ロシア期に関する工業生産指数の推計も行なわれた。基本的に,ソ連期における指数推計と同様の方法が用いられた。この結果は,後述するようにロシアのジャーナル『統計の諸問題』の2007年2月号に「ロシア工業生産指数の推計」というタイトルで掲載された。 (3)ソ連期の農業についても生産指数を推計中である。そのため平成18年度においては,種々の農業生産物の個別物量生産データおよび指数のウェイトとなる生産物価格データの収集が行なわれた。これらのデータは,ソ連期における公式統計集のほか,モスクワにある国立経済公文書館の資料から集められた。農業生産指数については,平成19年度中に推計を終了する予定である。
|