2008 Fiscal Year Annual Research Report
インドネシア、ヴェトナム、中国における所得格差と貧困の要因分析
Project/Area Number |
18530216
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Research Institution | International University of Japan |
Principal Investigator |
秋田 隆裕 International University of Japan, 国際関係学研究科, 教授 (50175791)
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Keywords | 所得格差 / 都市化 / 教育 / 所得格差の要因分析 / 地域間格差 / インドネシア / ヴェトナム / バングラデッシュ |
Research Abstract |
本年度は、インドネシアの1983年から2004年の州別・産業別GDPと人口データを用いて、人口重み付き変動係数に基づく2次元要因分解手法(bi-dimensional decomposition of the population-weighted coefficient of variation)により、州間所得格差要因変化の分析を行った。また、バングラデッシュの2000年と2005年の家計所得調査データを用いて、Theil尺度に基づく家計間所得格差の都市・農村間格差、都市内・農村内格差への分解式により、家計間所得格差要因の分析を行った。ヴェトナムに関しても、2002年と2004年の家計消費調査データを用いて同様の分析を行った。バングラデッシュについては、都市内所得格差と農村内所得格差のそれぞれについて、Gini係数と変動係数を用いて、農業所得、賃金所得などの所得項目に関する要因分析も行った。一方、ヴェトナムについては、Theil尺度により、都市内消費格差と農村内消費格差をさらに教育レベルに関して分解し、教育水準の向上に伴う都市内および農村内の家計間消費格差変化に関する分析も行った。インドネシアの地域間格差分析によると、鉱業部門を含めた場合、州間格差は減少傾向にあるが、1989年以降は金融危機の期間(1997-1999)を除き大きな変化がないことが分かった。また、鉱業部門のインドネシア経済における役割の低下を反映して鉱業部門の州間格差への寄与度が年々減少傾向にあり、その一方で、製造業の寄与度が高まっていることが分かった。
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