2007 Fiscal Year Annual Research Report
セルフヘルプの社会的認知度と支援活動の関連についての日独比較研究
Project/Area Number |
18530220
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Research Institution | Osaka University of Commerce |
Principal Investigator |
豊山 宗洋 Osaka University of Commerce, 経済学部, 准教授 (80268292)
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Keywords | セルフヘルプの広がり / 補完性原則 / セルフヘルプに関する研究プロジェクト / 公的医療保険 / 医療保険改革2007 / セルフヘルプと政治(政策) / セルフヘルプ支援センター |
Research Abstract |
セルフヘルプ支援センター(以下SHC)の運営主体の日独比較をおこない、日本のSHCを「ドイツ基準のSHC」「行政など既存団体の一部署としてのSHC」「ボランティアによるSHC」の3つに分類した。そして日本では三番目のSHCのウェイトが高く、さらにその運営の中心には専門職であり、かつ当事者であるという人のいるケースがほとんどであることを示した。またこれらのSH支援の知識やノウハウの形成・蓄積に関して日本ではSHC間のネットワークはあまり重要ではないが、ドイツではきわめて重要であることを示した(平成20年6月刊行のselbsthilfegruppenjahrbuch 2008に掲載予定)。 ドイツの当事者に対するセルフヘルプグループ(以下SHG)やSHCのかかわりのなかに、当事者の自己決定を尊重した援助があり、さらにその前提であるSHGやSHCの存在がまた公的医療保険や政治・行政からの支援によって可能になっていることを示した。そしてそのような支援の絡み合いを、ドイツのSH支援における補完性原則の具体的な表れという視点で捉えた(「補完性原則とセルフヘルプ支援」というタイトルで経済社会学会報告)。 ドイツのセルフヘルプの広がりに寄与した「研究プロジェクト」と「政治(政策)の果たした役割、それに対するSH陣営の働きかけ」について考察した。前者については28の重要なプロジェクトがあること、後者については医療保険改革2007におけるセルフヘルプ支援状況の改善を取り上げ、それを実現するまでにセルフヘルプ陣営がどのような戦略をとったのかを明らかにした(「ドイツの市民参加分野におけるセルフヘルプの広がりとそのための1つの戦略」というタイトルで日本NPO学会報告)。
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Research Products
(3 results)