2006 Fiscal Year Annual Research Report
地銀の信用リスク審査高度化と地場中小企業金融への影響調査及び新銀行東京の戦略分析
Project/Area Number |
18530250
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Ritsumeikan Asia Pacific University |
Principal Investigator |
鈴木 泰 立命館アジア太平洋大学, アジア太平洋マネジメント学部, 助教授 (00350752)
|
Keywords | 中小企業金融 / 地銀 / 新銀行東京 / 九州 / 信用リスク審査 / バンクレント / 福岡銀行 / 大分銀行 |
Research Abstract |
本研究は九州地区における地銀の中小企業向け審査・貸付業務の実態把握と、中小零細企業向けの無担保・無保証条件での貸出業務を核とするビジネスモデルにて2005年春より営業を開始した「新銀行東京」の収益・戦略分析を行なうことを目的としている。今年度の主たる研究実績は下記のとおりである。 1.各銀行がどのような信用リスク計量化・審査判断システムの導入段階にあるのかを、ヒアリングを通じて調査し、審査システム高度化プロセスにおける一定の法則性を分析。九州地区における地銀、特に、第一地銀を中心としたヒアリングを通じ、都銀におけるシステムとの違い(遅れ)について知見を得た。 2.「新銀行東京」の財務収益分析およびヒアリングを通じた中小零細企業向け融資戦略分析。同銀行のドメインやスブレッド(利鞘・バンクレント)の設定の仕方など、執行役員を含む同銀行のスタッフからのヒアリングを含めた情報を得た。これまでの分析については、「Studies on a"New Bank"with the primary service being unsecured loans to Japanese SMEs」というタイトルで立命館アジア太平洋研究センター紀要論文として発表した(詳細後葉11に掲載)。同銀行の経営戦略を学術的見地から分析した論文として貢献があると考えられる。 3.九州地区におけるヒアリングについては、今年度は福岡銀行と大分銀行を中心として、第一地銀における中小企業向け貸出動向、融資戦略について調査を行った。特に、福岡銀行を中心とした合併戦略(熊本ファミリー銀行、親和ホールディングス)が打ち出されたことで、同銀行の「スーパーリージョナルバンク」構想について、分析・ヒアリングを行った。 4.今年度については、上記2,3の調査を継続するとともに、貸付債権流動化(証券化)等の信用リスクの分散化への取り組みについて焦点を充てていく予定としている。
|
Research Products
(1 results)