2007 Fiscal Year Annual Research Report
20世紀中国経済と華僑送金:国際資金移動とその影響に関する歴史的検討
Project/Area Number |
18530255
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
城山 智子 Hitotsubashi University, 大学院・経済学研究科, 准教授 (60281763)
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Keywords | 華僑送金 / 日中戦争 / 太平洋戦争 / 為替管理 / 香港 / 華南 |
Research Abstract |
19世紀末から20世紀半ばに掛けて、香港で華僑送金を取り扱った馬叙朝文書(香港大学図書館所蔵)の調査と分析を行なった。馬叙朝は、広東省台山県出身で、香港で絹織物輸出業を始め、保険や銀行業を営んだ企業家である(香港名人年鑑)。それらの事業の一端として、馬は故郷の台山を中心とする地域出身者、海外(特に北南米が多い)へ出稼ぎに赴いた者と、その家族との間の手紙のやり取りと、送金を扱った。香港政庁の行政官であったジェームズ・ヘイズにより収集され、香港大学に起草された馬叙朝文書は、帳簿、手紙、契約書、その他証書等からなり、中でも、帳簿と手紙は華僑送金の実態を示す、極めて貴重な資料と考えられる。平成19年度は、平成18年度の帳簿に関する分析を踏まえ、手紙類の解読と分析を行った。その結果、日中戦争期から中華人民共和国初期にかけて、華南と香港との間の交通・金融が、戦乱によって遮断された時期も、専門の輸送人(クーリエ)を雇うなどの手段によって、送金が続けられていたことが、明らかになった。更に、1950年代初期に、アメリカ合衆国政府、及びカナダ政府が、対共産中国政策の一環として、中国への送金を制限した際にも、馬は香港の中継地として、華南への送金を継続していたことも確認された。戦時期から建国初期にかけての、中国本土、香港、海外との経済関係が、政治的状況の混乱にも拘らず、継続していたことを、明らかにした。これらの分析を踏まえて、国際ワークショップ「グローバリゼーションの過去と現在」(於 香港中文大学 2008年3月3日)に参加し、華南地方の現状分析と歴史研究に関する意見交換を行った。
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Research Products
(2 results)
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[Presentation] 公司借款2007
Author(s)
城山智子
Organizer
上海社会科学院経済研究所主催 国際会議
Place of Presentation
上海社会科学院
Year and Date
2007-07-21
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