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2007 Fiscal Year Annual Research Report

ナチス金融システムとライヒスバンク政策に関する史的研究

Research Project

Project/Area Number 18530260
Research InstitutionShiga University

Principal Investigator

三ツ石 郁夫  Shiga University, 経済学部, 教授 (50174066)

Keywords金融システム / ナチス / ライヒスバンク / 中央銀行 / 資本市場政策 / 通貨政策 / 為替管理 / 統制経済
Research Abstract

当該年度において.ライヒスバンク年次報告書を中心に分析することによって、ライヒスバンク政策を体系的に検討した。その結果,次のような結論をえた。第一に,第1期のライヒスバンク政策目標は何よりもドイツの通貨ライヒスマルクの価値を安定化させることであり,そのために通貨逓切り下げを行う代わりに為替管理、貿易統制と金融市場政策を行使し,それを通じて国際関係におけるドイシ経済の位置を回復しようとした。1935年ライヒ国債発行は,シャハトが進めてきたライヒスバンク政策の目標題達成される最終段階であった。第ニに,1936年開始される4カ年計画と翌年2月におけるライヒスバンクのライヒ総統従属化は,ライヒスバンク政策にとって重大な方向転換となった。それはライヒスバンクが,それまでの連合国関与の状態から転換することによって,国際経済関係から独立した国民経済を指向することを意味した。つまり,ライヒスバンクは国際関係から独立してライヒ政府に従属したのであり,そのことを重要な画期としてナチス国家は自給自足的広域経済空間の構築に向かうことになった。1938/39年はこうした転換が決定的となり,戦争目的の統制経済体制を構築することになった。この意味で1930年代後半のニイヒスバンクは,ライヒ政府が戦争目的のために必要な資金を調達する一政府機関として位置付られ,ナチス金融システムが形成されたのである。
このような視点は,ライヒスバンクを国際経済関係から把握しようとするものであり,従来の国内的軍需経済的視点を補完するものである。この時期のナチス経済の発展のあり方を,第二次大戦後を意識した20世紀ドイツ経済史全体のなかで位置づけようとする作業は平成19年に行ったが,とくに金融面での位置づけ作業とそのチチ期での具体的なあり方を個別に検討する作業は,次年度の研究課題として残されている。

  • Research Products

    (1 results)

All 2008

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] 戦後ドイツの経済発展をめぐるアーベルスハウザー・テーゼの現代的意義2008

    • Author(s)
      三ツ石 郁夫
    • Journal Title

      歴史と経済 第198号

      Pages: 49-56

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2010-02-04   Modified: 2016-04-21  

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