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2006 Fiscal Year Annual Research Report

第1次世界大戦と中東の生成--イランの為替と金融を中心として--

Research Project

Project/Area Number 18530271
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionOsaka University of Commerce

Principal Investigator

水田 正史  大阪商業大学, 総合経営学部, 教授 (80219633)

Keywords第1次世界大戦 / 中東 / イギリス / アラブ / 帝国オスマン銀行 / ジッダ / メッカ / 金融
Research Abstract

第1次世界大戦期におけるイギリスの対アラブ資金供与とアラブ国家形成との関係を解明した。概要は以下の通り。
形成されようとしていた国家は、その資金的中核としての銀行を必要としていた。そのような銀行として、当時すでに存在していた帝国オスマン銀行ジッダ支店はふさわしくなかった。同行は多国籍的性格を有しており、世界戦争勃発によってアイデンティティーを引き裂かれてしまった。このアイデンティティーの裂け目は、協商側と同盟側のあいだのみならず、イギリス・フランス間にも存在した。
アラブ国家形成を自らの影響下で進行させたいと望んでいたイギリスとしては、ヒジャーズに設立される銀行は純粋にイギリスの銀行でなければならなかった。「純粋にイギリスの銀行」にとっての敵は、トルコやフランスにとどまらなかった。無国籍的な世界金融も敵であった。イギリス側の史料における「望ましくない形態の世界市民的金融」という表現は実に鮮烈である。
「望ましくない形態の世界市民的金融」といえば、メッカ巡礼者がヒジャーズにもたらしたコインが輸入代金決済に用いられるというコインの流れもこれに含めてよいかもしれない。新銀行が設立される場合に予想される反対として、こうした物的基礎の上に生活が成立していた地元住民による反対が想定されえた。これまで、このような問題は、「伝統対近代」、「ヨーロッパ対非ヨーロッパ」といった観点から捉えられることがほとんどであったと思われる。だが、このような観点からだけで公正な世界認識が可能なのかどうか、改めて考えてみる必要があるであろう。

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Published: 2008-05-08   Modified: 2016-04-21  

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