2008 Fiscal Year Annual Research Report
第二次大戦後のドイツ工作機械工業の復活・発展に関する実証研究
Project/Area Number |
18530272
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Research Institution | Kumamoto Gakuen University |
Principal Investigator |
幸田 亮一 Kumamoto Gakuen University, 商学部, 教授 (60153475)
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Keywords | 経済史 / 経営史 / ドイツ経済史 / 工作機械工業 |
Research Abstract |
当初の目的としては、1950年代の研究を続け、60年代の検討に入る予定であったが、50年代についてまだ解明すべき課題が新しく見つかったため、結果的に、50年代の西ドイツ工作機械工業の発展についてさらに深く研究することに多くの時間を投入した。 分析手法としては、従来の研究を踏まえ、統計資料を交えて経済史的な分析を行った上で、社史や新聞・雑誌記事をもとに、個別企業の動向を明らかにするために経営史的な分析手法を取り入れて研究を進めた。その結果、戦後の困難期を乗り越え、ヒト・モノ・カネという経営資源を整え直した工作機械工業の生産力が西ドイツの「経済の奇跡」の基盤となったことを明らかにすることができた。 なお、当該テーマに関して、1960年代末から70年代にかけてエポックメイキングな技術転換をもたらしたNC工作機械の技術導入についての資料の収集を続け、それらの検討から、有力メーカーと大学の連携で研究開発が進んで行くが、伝統的な機械技術の高さと熟練工の存在のために、日本と異なりNC工作機械技術の導入に消極的であった西ドイツ工作機械工業の概要をつかむことができた。 研究成果については、平成20年10月の経営史学会全国大会で発表する機会を与えられ、その時の、貴重な質問やコメントを踏まえ、いま、論文化に取り組んでいるところである。
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