2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18530281
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
鵜崎 清貴 大分大学, 経済学部, 教授 (20232811)
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Keywords | 未公開株式 / 新規株式公開 / 株式の評価 / ベンチャー企業 / 株価倍率評価 / 株主の構成 / 持株比率 / TobinのQ |
Research Abstract |
平成18年度における研究実績の概要は以下の通りである。 1.JASDAQに上場(登録)されている企業の上場前後の財務データを1999年から2004年までの405社収集・整理し,データベースを構築した。 2.未公開株式の評価の問題を考察する際,まず上場企業を評価する場合の評価モデルが,未公開株式の評価に当てはめられるか否かを考察する必要があった。 1999年-2004年のJASDAQ上場企業の詳細なデータを分析した後,2000年の上場企業の公開株価と類似業種比準法による推定株価との回帰分析,公開価格と割引超過利益モデルによる収益率との回帰分析をいった。その両方とも決定係数(R^2=0.017352と0.0061)が小さく,十分説明することはできなかった。 3.2001年から2005年までのJASDAQに新規に株式を公開した企業362社のTobinのQと株主の構成を検討し,株主の構成の違いが,IPO時の企業価値に影響を及ぼすかを考察した。それにより以下のことが明らかになった。Qとオーナーの持株比率との相関係数が正であり,統計的に有意であった。 このことは,経営者が多くの株式を保有することにより,企業のための努力が直接自らの利益に結びつくためと考えられる。 企業内部者によって所有されている持株比率価(fraction of Share)とTobinのQとの間には,曲線の関係にあるとはいえなかった。また機関投資家によって保有されている株式比率とQとの間に有意な正の関係があることも明確にいえなかった。
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