2006 Fiscal Year Annual Research Report
日本型企業間システムの変革と東アジア展開に関する研究-自動車産業と鉄鋼業を中心に
Project/Area Number |
18530285
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
田中 彰 名古屋市立大学, 経済学研究科, 助教授 (00275116)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 健一郎 札幌大学, 経営学部, 助教授 (50285227)
李 在鎬 星城大学, 経営学部, 講師 (40342133)
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Keywords | 企業間システム / サプライヤー・システム / 自動車産業 / 鉄鋼産業 / 日本:韓国:中国 |
Research Abstract |
1.日本自動車サプライヤー・システムの変革について (1)〓(李)(2006)はトヨタ自動車の部品協力会「協豊会」への訪問調査等にもとづき、同会の発展過程において完成車メーカーとサプライヤーとの間の信頼、学習、組織化が相乗効果を発揮し、組織能力を倍加してきたことを明らかにした。 (2)日産の場合は既存のサプライヤーの再編成を伴う改革を行ったが、トヨタのCCC21運動では、コンセプトンイン、即ち更なる組織間機能統合を用いてコストダウンを実現している。また、2000年と2005年の間に、トヨタのサプライヤー組織は大きな再編成は見当たらないという事実もこのような脈絡で理解することができる。以上、〓(李)(2006)。 (3)中山(2006)(2007)はホンダのケーススタディをおこない、生産システムの形成には製品設計思想が大きく関わっていることを明らかにした。 (4)このほか、中山は日産自動車の部品協力会「日翔会」(2000年以降の変容)、ホンダ(世界最適購買に向けた取組)の訪問調査をおこなった。 2.自動車サプライヤー・システムの日中比較・日中間移転について (1)中山と田中は中国現地調査をおこない、(1)日系(広州トヨタとサプライヤー)、(2)米国系(上海GM)、(3)中国民族系(奇瑞、吉利とサプライヤー)各企業を訪問した。日系では日本型サプライヤー・システムが比較的ストレートに持ち込まれているが、米国系、民族系ではよりオープンな方向に進んでいることがわかった。 3.鉄鋼企業システム・原料調達システムについて (1)田中(2006)は日本の鉄鋼原料調達システムの形成過程と現局面について論じ、現在が1960年代に次ぐ大きな環境変化の時期であること、ただし世界的な原料調達システムの変革は生じていないことを明らかにした。 (2)このほか田中は、目本鉄鋼企業への訪問調査、鉄鋼原料調達システムの日米比較・関係史的な研究、1990〜2000年代の世界鉄鋼企業システムのデータ整理・分析を進めている。
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Research Products
(4 results)