2006 Fiscal Year Annual Research Report
若年雇用者に対する企業の採用・人材育成・技能伝承からみる人事変革の方向性
Project/Area Number |
18530286
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
下崎 千代子 大阪市立大学, 大学院経営学研究科, 教授 (80135003)
|
Keywords | 若年雇用 / 人材育成 / 技能伝承 / ダイバーシティ / SOHO / 働き方の多様性 / 教育訓練 / 伝統工芸 |
Research Abstract |
1.中小製造業における人材確保についての研究 関西では、中小製造業において優良な企業が多数存在するが、今後の存続を考えた場合、どのように若年層の人材を確保・定着させる必要があるかについて、資料を収集し、アンケート調査を実施した。大阪府下400社、近畿300社、全国300社に送付して、165社から回答があった。この結果の集計・分析は、平成19年度に実施する。 2.専門高校の戦後の変遷についての研究 全国15都道府県(北海道、宮城県、東京都、新潟県、愛知県、大阪府、兵庫県、京都府、奈良県、滋賀県、和歌山県、広島県、愛媛県、福岡県)の専門高校(主として、工業高校と商業高校)の戦後の変遷、とくに、地場産業や地元企業に対して、どのように人材供給を果たしてきたかについて分析するための資料収集を行なった。工業高校においては、デュアルシステムなどの新たな取り組みがでてきており、スーパー専門高校等の新たな取り組みがみられる。しかしながら、専門高校においても、大学進学希望者も多く、今後、製造業の技能を担う人材の確保をどのようにするかが課題となることが明らかになった。 3.伝統産業における技能伝承についての研究 この点に関しては、3月に沖縄・宮古島の現地調査を実施した。琉球絣・紅型・宮古上布などでは、後継者育成事業によって、後継者が育ち、伝統産業を継続させつつある実態を確認できた。都会からの人たちも、こうした事業に応募してきている実態もあり、若年層に対して、こうした伝統産業の伝授が後継者発掘には不可欠である。また、こうした希少価値をもつ製品については、すでに、流通経路が固定化していて、一般消費者のニーズに対応した商品開発ができていないことも明らかとなった。伝統的だけでは、現代人のニーズにマッチできないわけで、伝統産業に新しい感覚、デザイン力を付加する必要がある。これに、若年層のひとびとが活躍する余地がある。とくに、沖縄では、芸術大学があり、そこから排出される人材が、沖縄に新しい息吹をもたらしている。 4.女性の就業継続に関する研究 在宅勤務、SOHOが女性の就業継続にかかわっているかについて、研修・インタビュー等を実施した。
|