2007 Fiscal Year Annual Research Report
若年雇用者に対する企業の採用・人材育成・技能伝承からみる人事変革の方向性
Project/Area Number |
18530286
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
下崎 千代子 Osaka City University, 大学院・経営学研究科, 教授 (80135003)
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Keywords | 人材育成 / 多様な働き方 / 定着 / ワークライフバランス / 若年雇用 / 採用 / インターンシップ / 技術伝承 |
Research Abstract |
今年度はH18度に実施した「中小企業の人材育成に関するアンケート調査」の結果分析を主として実施した。若年者の採用・育成については、当初大企業調査を実施する予定であったが、経済状況の改善とともに、若年層全般の問題も重要ではあるが、中小製造業で若年層が採用されない場合、これまで培われてきた技術や技能の伝承が困難となることから、今後も成長が見込まれる優良な中小製造業に対象を絞って人材の採用・確保・育成について、アンケートを実施してその結果分析をおこなった。この調査結果の特徴的な点は以下のとおりである。(1)優良企業では大卒理系技術者を確保できている。(2)採用に当たってはハローワーク中心ではあるが、学校との連携関係を有していたり、役員や従業員の知り合いなどから広く人材を探している。(3)また、従業員の定着に関しては男女とも年齢に関わらず、賃金で工夫するという企業が多い。しかし、女性に対しては休暇や就業時間の柔軟性ということで定着を図ろうとしている割合も高く、ワークライフバランスに対する配慮と定着との関係がみられる。(4)今回の調査では、関西に重点を置いた研究を実施したことから、大阪市においてはとくに優良企業数の割合が少なく人材等に関しても文系中心であったりと、他のグループと比較して多くの相違点がみられた。ただし、配布先において問題があり、今後別途調査表を配布して、これらの結果の有効性を確認する必要がある。また、今年度は、中小企業の人材育成に関する国際比較調査(中国上海市・中国石家荘市・タイバンコク)を実施し、今後その分析をする予定である。何故ならば中小製造業での人材確保に関しては、同様の問題が中国においても生起しているからである。
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Research Products
(2 results)