2006 Fiscal Year Annual Research Report
地球環境への負荷を低減する製品による企業価値創出のモデル構築
Project/Area Number |
18530302
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
柿崎 洋一 東洋大学, 経営学部, 教授 (40120331)
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Keywords | 地球環境問題 / 環境配慮型経営 / 製品の再生 / イノベーション / 顧客 |
Research Abstract |
地球環境問題への関心高まりは、地球温暖化などの深刻化する状況とともに、より具体的な対策の提示が求められている。ここでは、地球環境問題の原点である生産活動による地球環境への負荷の低減を製品設計、いわゆるエコデザインの視点から研究することにした。とくに、今年度は、製品のリサイクルや耐久性、さらにイノベーションといった複合的な視点から、東京の秋葉原、大阪の恵美須町における伝統的な電機部品、パソコン再生などの現状を調査し、製品の再生、高度化、イノベーションという新たな環境問題へのモデル構築への手がかりを得ることができた。とりわけ、時代の流れを先取りするこれらの市場では、再生、高度化、さらに顧客による製品の高機能化の推進など地球環境問題への対応という点からも注目すべき内容が埋もれていると考えられる。次年度は、このような製品の再生、高機能化市場と企業の生産機能との関連を明らかにして、新時代の環境調和型生産経営のモデル構築を行いたい。同時に、わが国企業におけるエコデザインへの取組みの実態を明らかにするための調査(アンケート調査)の準備を行った。アンケート調査対象企業は、環境経営に熱心な500社程度を選定した。実施は、2007年の6月を予定している。このアンケート調査では、消費者の環境問題への取組み、意識改革などの変化を組み入れた製品開発に大きな特徴を見出した。以上の研究を通じて、消費者(顧客)のもっ製品開発力に着目した地球環境に配慮した製品設計の新しいモデル構築が明らかになってきた。今後は、環境配慮型製品開発における顧客の係わり、さらに市民の係わりについて検討し、企業価値の新たな創出モデルとして社会的な視点を組み込んだ環境経営の構築を行う。
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