2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18530312
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
石田 光男 同志社大学, 社会学部, 教授 (40121587)
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Keywords | 職場組織 / 経営管理 / 自動車工場 / 日米比較 |
Research Abstract |
平成18年度の研究実績の概要 1.日米自動車産業の労働に対する要請の共通点。 いずれもグローバル競争は製品開発、生産技術の力量が重視されるようになったが、本研究が着目する生産部門=工場の品質と能率への要請も合わせて重視されるようになった。方針管理の重視である。 2.相違点も多い。 (1)組織面での相違。(ア)労働組合組織。米国工場では一般作業者のみ、生産部門のみを組織しているのに対して、日本は係長クラスまで、非生産部門をも組織している。(イ)内部労働市場。米国工場は全員一律の処遇であるが、日本は人事考課を伴う数段階の階層組織になっている。(ウ)方針管理を遂行するインセンティヴ。米国はインセンティヴを欠いているが、日本は緻密に設計されている。(2)労使関係での相違。米国は労使協議制度が不在で、労働支出の決定は全国協約の適用につきるが、日本は重層的労使協議が存在し、協議は労働支出の規制とともに経営への発言を含む。(3)方針管理の組織と運営の相違。(ア)管理運営組織。米国が「労使合同委員会」方式であるのに対して、日本は通常の管理組織である。(イ)品質管理。米国もラインの中途に「検査工程」を置き、帳票類も導入したが運営は不安定である。日本は「検査工程」で発見された品質不良の対策や工程作業に吸収することが徹底している。(ウ)能率管理。機械の稼働率、要員設定、工数低減いずれの側面でも、米国は生産職場がその役割を分有していないのに対して、日本は生産職場の第一線管理者の役割が重い。 3.相違の根拠。 アメリカの工場の「葛藤」と日本の順調な運営の差は、職場労使の「共同性」の有無に帰着する。
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Research Products
(5 results)