2006 Fiscal Year Annual Research Report
IT・ソフト系企業における人的資源管理システムの研究
Project/Area Number |
18530313
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
太田 肇 同志社大学, 政策学部, 教授 (30223837)
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Keywords | 成果主義 / モチベーション / 承認欲求 / 人的資源管理 |
Research Abstract |
まず、既存文献の渉猟によって基礎的な知識・情報を獲得した。それに基づいて、国内外、とりわけIT・ソフト化が進んでいる国・地域の企業で聞き取り調査を実施した。 シリコンバレー(アメリカ)、中国、シンガポール、香港などのIT・ソフト系企業を中心に訪問し、経営者、管理者から聞き取り調査を行った。聞き取り内容は、現在の人的資源管理システム、認識している問題点、今後の改革予定などである。 その結果明らかになったのは、IT・ソフト系企業では一般の企業以上に労働力の流動化が激しいこと、実力主義、成果主義人事が徹底されていて若年者が責任ありポストに登用され、30代前半のマネージャーも珍しくないことである。ただ、同じ実力主義、成果主義と言っても日本と違って数字や客観的な実績に基づいた処遇が徹底されている。また異動が激しいので、昇進も処遇の面でも短期的な視点から行われる傾向がみられる。さらに、女性の活用という面でも日本よりはるかに進んでいて、マネージャークラスへの登用はどこの企業でも珍しくない。 ただ、社員の動機づけにおいては金銭的報酬やポストだけでなく、社員に大きな権限を与えたり、自分の名と責任で仕事をさせたりすることで承認欲求を刺激することにも力を入れている企業が多い。 今後の課題として、いかに社員の定着率を高めるか、優秀な人材の獲得競争を勝ち抜くかが強く意識されている。
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Research Products
(1 results)