2009 Fiscal Year Annual Research Report
20世紀日本のビジネスエリート輩出システムに関する歴史・実証分析
Project/Area Number |
18530320
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Research Institution | Tezukayama University |
Principal Investigator |
日夏 嘉寿雄 Tezukayama University, 経営情報学部, 教授 (20258180)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶本 元信 帝塚山大学, 経済学部, 教授 (80233724)
山田 雄久 帝塚山大学, 経営情報学部, 准教授 (10243148)
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Keywords | ビジネスエリート教育 / 経営教育 / 実業教育 / 高等教育機関 / 分岐型教育システム / 単線型教育システム / 人材育成 / 地域教育 |
Research Abstract |
本研究は、明治期から戦後の高度成長期までの約1世紀間のビジネスエリート(企業の幹部社員・キーマン)を養成してきたシステムを分析するものである。今年度は科学研究費補助金交付の最終年度に当たり、これまで収集してきた各種データの補足に最重点をおいた。とれまで3年間で、相当量の近代日本設立後の学制・戦前の高等教育機関の創立から現代に至るまでの校史および関係資料・同窓会関連資料・創業経営者の伝記などの文献の収集に努力し、他の研究者から資料の閲覧を要求されるまでに充実してきた。それをさらに詳細データに近づけるための努力を行い、そめ結果、書籍関係の費用が当初計画より大幅に増えることになった。 最終年度として、資料収集を完了させると共に、そのデータベース化と資料の分析結果のまとめを計画してきた。しかし、この点については、計画通りに進行しなかった。現在もディスカッション・ペーパーを作成中であり、それによって同じような研究を行っている諸学との議論を発展させたいと考えている。 収集資料のデータベース化については、収集資料の整理を進めている状態であり、完成していないのは遺憾である。ただし、収集した資料の中には同窓会名簿などが含まれており、個人情報の問題等から公開資料とすることには問題があり、十分注意した取り扱いが必要となっている。 当初の計画では戦前からの高等教育機関を主たる対象として研究を続けていたが、われわれ共同研究者が所属する戦後創設された帝塚山大学の資料収集と卒業生(同窓会)とのヒアリング調査を行った。大学教育の大衆化が顕著となった高度成長期に設立された後発大学と戦前からの高等教育機関であった大学との対比により、大学の大衆化と総合化の中で、ビジネスエリート教育の希薄化が鮮明となった。 当初の計画が完全に達成できたとはいえないが、基礎資料の収集が略完了したので、これから息の長い研究が続けられる基盤が確立できたと期待している。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article]2009
Author(s)
天野雅敏・山田雄久
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Journal Title
講座日本経営史1 経営史・江戸の経験-1600~1882-「ものづくりと技術-連続-」(ミネルヴァ書房)
Pages: 135-169
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