2006 Fiscal Year Annual Research Report
イギリス消費生活協同組合運動の生成と展開、とくにその連合・統合化についての研究
Project/Area Number |
18530337
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
杉本 貴志 関西大学, 商学部, 助教授 (90319608)
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Keywords | 協同組合 / 生協 / ロッチデール / Rochdale / United Co-op / Japanese Co-op / British Co-op / Co-operative Movement |
Research Abstract |
研究初年度である本年度は、本研究が主要な対象とする英国最大の地域協同組合ユナイテッド・コープについて、その現状・概要を把握すると共に、およそ200の小さな協同組合がいかにこのコープに統合されていったかを明らかにするための歴史研究を行った。具体的には、およそ2週間の現地調査において、ユナイテッド・コープの経営幹部への聞き取り調査を行い、同コープに関する内部資料の提供を受けることが出来た。またコーペラティブ・カレッジやロッチデール・タッチストーンをはじめとする英国内の各種研究施設において、定期刊行物を中心とした資料の収集に努めた。 これらの調査を元にして、英国協同組合運動が復活を遂げつつあることを、ユナイテッド・コープを中心にして、主として事業の側面から論じたのが論文「イギリスにおける生活協同組合の再興-責任ある地域の小売業への模索と挑戦」であり、ガバナンスの側面から論じたのが論文「ステークホルダー・レポートから見るイギリス協同組合運動の現在-ユナイテッド・コープを中心に」である。また、論文"Leadership in Co-operatives : Experience of Japanese Consumer Co-operative Movement"は、協同組合運動におけるリーダーシップに焦点をあてて、こうしたイギリスの運動を日本のそれと比較・考察している。 さらに歴史研究としては、ユナイテッド・コープの母体となるロッチデール公正先駆者組合について、これまで知られることのなかった分裂と再統合の詳細を、Red Store, Yellow Store, Blue Store and Green Store : The Rochdale Pioneers and their Rivals in the late Nineteenth Centuryとしてまとめた。「ロッチデール公正先駆者組合とその"分裂"-『非営利・協同』の源流についての一考察」は、その内容を日本語で要約したものである。
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