2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18530340
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Research Institution | Ritsumeikan Asia Pacific University |
Principal Investigator |
横山 研治 Ritsumeikan Asia Pacific University, アジア太平洋マネジメント学部, 教授 (90258583)
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Keywords | 運送時間 / 船荷証券 / 海上運送状 / 元地回収船荷証券 / 商流 / 物流 / DDU / DDP / JIT |
Research Abstract |
この研究では、東アジア地域の国際物流と商流の制度的変化と相互関連を明確にしながら、運送手段あるいは運送時間の短縮化が取引の制度や慣習にどのような変化をもたらしたのかを明確にしてきた。 初年度と2年度目で行ったフィールドワークと資料収集を分析し、また同時に行ってきた分析結果の論文および口頭発表を、昨年度は最終的にまとまりのあるものするために、不足分野の追加分析やそれにともなう論文執筆や発表を行った。その内容は以下のとおりである。 東アジアの物流時間の短縮化は必ずしも運送手段の発展ではない。それは、通関時間や荷捌き時間といったもの、さらには上海スーパーエキスプレスのようにシャトルサービスという運送形態の変化がもたらしたものである。これによって全体的な運送時間の短縮化が図られるようになった。 運送時間の短縮化は、従来から問題であった「船荷証券の危機」をさらに顕在化させ、いよいよ東アジアでは船荷証券が使われなくなってしまい、その代りに海上運送状と元地回収式の船荷証券の使用が中心となってきた。また、物流の変化という点では、引き渡し条件が船積み地から陸揚げ地に変化する傾向がみられるようになり、DDU/DDPの使用が増加している。それはJITの制度のあらわれとも言えるのではないだろうか。 以上の研究上の価値は、東アジアの物流と商流の変化の相互関係を明確にしながら、近年の制度変化過程を明確にしたことであろう。これによりこれからの変化の予想と、制度研究のありかたを明確にできたのではないだろうか。
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Research Products
(6 results)