2007 Fiscal Year Annual Research Report
国際会計基準と日本基準、米国基準の同等性評価に関する実証研究
Project/Area Number |
18530344
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
林 健治 University of Toyama, 経済学部, 教授 (60231528)
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Keywords | 米国GAAP / IAS / IFRS / 調整表 / 同等性 / コンバージェンス / ADR / Vuong検定 |
Research Abstract |
米国GAAP調整表が投資家にとって有用であるかに関する先行研究を、3つのタイプに分類し、レビューした。先行研究で用いられた利益資本化モデル、自己資本簿価モデル、残余利益モデルに、米国GAAP利益調整差額変数RCNC[(GAAP利益調整差額÷外国GAAP利益またはIFRS利益)の絶対値を期末株価で除した額]を含む3つの修正モデルを追加した。 国際取引所連合の統計データに従い、証券市場別取引高の多い上位4力国、すなわちイギリス、ドイツ、フランス、目本を抽出し、2002年にIFRS導入を決定したオーストラリアを加え、5カ国のNYSE Sponsored ADRをサンプルとして選択した。IFRS第1号「国際財務報告基準の初度適用」の発効日(2004年1月1日)にあわせて、2004年を分析対象年度とした。 Vuong検定によって、米国GAAP完全準拠型企業23社(日本企業14社を含む)と米国GAAP調整表開示企業63社(IFRS適用企業5社、本国GAAP適用企業58社)の利益資本化モデル、自己資本簿価モデル、残余利益モデルの株価説明力を比較した。自己資本簿価モデルと利益資本化モデルの優劣順位は、先行研究と異なるが、残余利益モデルの株価説明力が最も優れていた。米国GAAP完全準拠型企業の説明力は、米国GAAP調整表開示企業のそれを凌いだ。Vuong検定によると、米国GAAP利益調整差額変数の増分情報内容は、確認されなかったが、米国GAAP利益調整差額変数と株価の間には有意な関係が見い出された(5%水準)。これらに関する研究成果を『會計』172巻2号(2007年8月)において発表した。
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Research Products
(1 results)