2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18530351
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
中田 範夫 Yamaguchi University, 経済学部, 教授 (90146142)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉 和郎 山口大学, 山陽病院・臨床研究部, 副院長 (70241271)
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Keywords | 病院経営 / 原価計算 / 電子カルテ / BSC |
Research Abstract |
平成18年度に実施した郵送調査に基づき、以下の病院を訪問調査した。岐阜大学医学部付属病院、熊本済生会病院、国立病院機構山陽病院、大阪府済生会病院、熊本日赤病院である。また、病院以外に次の大学等で行われた学会や研究会へも出席して医療マネジメントに関する知識の習得に努めた。愛媛大学、明治大学、慶應義塾大学、熊本県植木町、法政大学、などである。 以上の病院を訪問し、研究会等へ参加することにより現在の病院経営における現状をおおよそ把握できたと考える。具体的には、原価計算、BSC及び電子カルテである。 まず原価計算についてであるが、我が国でも原価計算の採用状況は進んでいる。しかし、18年調査時点において300床以上の病院において39.7%、そして150床以上300床未満で20.2%という状況に止まっている。その中でも病院における診療科別原価計算は一般企業で採用されている部門別原価計算と比較すると2つの特徴を有していることが確認された。また、病院では活動基準原価計算の採用は未だ過少であることも判明した。 次にBSCについてである。郵送調査及びその後の訪問調査を通じて次のことが判明した。1つは、最近、BSCの採用が流行のような兆しがあるが、一方で、採用病院の多くがBSCの採用を「成功」だと評価していないということである。2つは、BSCの採用形態にも幾つかのバリエーションがあり、必ずしも原型とは一致していないこと。3つめは、BSCは必ずしも万能薬ではないということである。 最後に、電子カルテの普及や役割についてである。厚生労働省の意図と違って、電子カルテの導入は予定されたスピードで進んでいない。それは、電子カルテを単に資料の電子化としてしか捉えていないからである。しかし、ある大学病院で画期的な電子カルテの運用を目にした。それは、電子カルテを戦略的手段として利用しているということである。
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Research Products
(5 results)