2006 Fiscal Year Annual Research Report
会計規制が企業の組織変革とコーポレートガバナンスに及ぼす影響に関する実証研究
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18530363
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
薄井 彰 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (90193870)
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Keywords | 会計規制 / コーポレートガバナンス |
Research Abstract |
本年度は、(1)敵対買収防衛策とコーポレート・ガバナンス、(2)国際事業展開と利益の価値関連性、(3)監査の品質とコーポレート・ガバナンスに関する研究を実施した。(1)は日本経営財務研究学会、(2)は国際会計研究学会、(3)は日本監査研究学会にてそれぞれ研究報告した。(1)では敵対的買収防衛策の導入が株価に及ぼす影響を調査し、それが株主あるいは経営者に利益にもたらすかを報告した。また、コーポレート・ガバナンスと買収防衛策の導入効果の関連を調査した。(2)では、1998-2005年の14,498社-年のサンプルを使って、日本の上場企業について事業別と所在地別のセグメント情報の価値関連性を調査した。その結果、連結グループの範囲、事業の多角化、海外事業の活動を勘案して、市場が連結の利益と株主資本簿価を評価していることを明らかになった。また、海外利益と国内利益が株価と有意に関連性をもつことを確認した。日本の新しいGAAPが提唱するように、連結財務諸表が企業戦略に関してより多くの情報を市場に提供していることを株価ベースの実証的証拠に基づき明らかにしている。(3)では、監査人の2000年から2004年に新規公開した665社をサンプルに監査の品質を調査した。その結果、監査人は、公開直前期を除き、倒産リスクの低いクライアントほど、無限定適正意見を表明する傾向にあるという証拠が得られた。また、保守的な会計と攻撃的な会計では監査人の規模の影響が異なることが確認できた。
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Research Products
(1 results)