2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18530364
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto Tachibana University |
Principal Investigator |
河野 充央 京都橘大学, 文化政策学部, 教授 (50234711)
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Keywords | 患者分配価値 / 病院分配価値 / 医療マーケティング / 医療管理会計 / 公益性 / 効率性 / 医業費用 / 医療サービス階層概念 |
Research Abstract |
1.平成18年度研究目的 (1)マーケティング的視点と会計的視点とを融合した患者分配価値の定義 マーケティングによる定義:患者分配価値=ベネフィット/治療費(もしくは診療報酬) 会計的定義:患者分配価値=医業収益-病院分配価値 上記2式の整合性をはかり,患者分配価値の定義づけを第3の視点から行う。 (2)患者分配価値の測定評価方法の確立 測定式:患者分配価値(医業費用)=一般医療コスト+期待医療コスト+拡張医療コスト+潜在医療コスト+付随する減価償却費 2.平成18年度研究計画実施概要 上記2つの研究目的を遂行するために,まったく特色を異にする下記3病院を訪問した。 (1)国立大学法人旭川医科大学(同大学付属病院)(北海道旭川市) (2)医療法人医仁会武田総合病院(京都府京都市) (3)特定医療法人社団 松涛会 安岡病院(山口県下関市) それぞれ,国立大学付属病院,民間総合病院,慢性期医療を専門とした総合病院という特色を有している。これに付随する研究として,地域医療環境の調査のため,次の3つの自治体を訪問した。 (1)旭川市役所,(2)沖縄県庁,那覇市役所,(3)東京都庁 3.研究成果 医業費用の支出と患者満足度との関係の調査に有効な多くの財務データを入手できた。現在,データ分析の進行中であるが,医療サービスの本質を正確に見極めるための貴重な成果が期待できると感じている。訪問した病院のデータに対して,患者分配価値として,最も多くの価値を創造している医業費用を,調査した病院ごとに比較して,どのような科目・費目が,医療サービスにおける製品階層概念への価値創造に貢献しているかについて,興味ある研究成果が得られている。価値を生む費目,生まない費目の再評価を現在実施中であり,削除すべきもの,あるいは,さらに価値を生むように工夫を施すもの等,医業費目に対して,科学的見地から評価している。協力先医療機関に対して,順次,成果の還元を検討中である。
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