2006 Fiscal Year Annual Research Report
中国における社会関連会計の現状と動向についての研究
Project/Area Number |
18530367
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
水野 一郎 関西大学, 商学部, 教授 (70174034)
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Keywords | GRIガイドライン / 宝山製鉄 / 和諧社会 / 社会関連会計 / トリプルボトムライン / 中国会計学会教育分会 / 環境報告書 / 環境会計 |
Research Abstract |
本研究の初年度としてまず中国の社会関連会計に関する文献・資料の収集活動を継続し、強化してきた。とくに環境報告書として上海の宝山製鉄が初めてGRIガイドラインに即した報告書を2006年から公表した。GRIガイドラインの中国語訳もすでになされてきてはいるが、これらは中国における社会関連会計の新しい可能性として興味深いものである。 また昨年度は7月に中国会計学会教育分会(以前の会計教授会)、中国財務原価学会に参加することができ、さらに冬休みに復旦大学や湖南大学を訪問することにより現代中国の会計研究動向に直接触れることができた。とくに注目したいのは、胡錦涛政権が提唱している「和諧社会」(調和化された社会)の確立が本格的に動き始めたことである。昨年10月の中国共産党第16期中央委員会第6次全体会議(六中全会)では「社会主義和諧社会の確立に関する若干の重大な問題の決定」が決議され、こうした動きに対応するかのように会計学会の方でも「和諧」が重要なキーワードとして登場してきたことである。この「和諧」の内容は、会計学では広範なステークホルダー重視の会計として注目され、GRIやElkingtonの「トリプルボトムライン」の紹介やその中国での具体的な評価指標体系の確立をめざす研究が出てきていることである。このような動向は社会関連会計学会や関係する研究会において報告し、いろいろ意見交換を行ってきており、次年度以降の研究に生かしていきたい。
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Research Products
(3 results)