2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18530378
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
笹原 恵 静岡大学, 情報学部, 助教授 (40237813)
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Keywords | 女性労働者 / 非正規労働者 / 労働組合 / パートの組織化 |
Research Abstract |
本研究は、女性非正規労働者の労働組合運動への参加と、労働組合側の女性非正規労働者に対する組織化等の戦略を合わせて考察することを目的とするものである。具体的には(1)「ナショナルセンターレベルでの労働組合の分析」、(2)「個別労組の分析」、(3)「丸子警報器労働組合の分析」及び「丸子警報器の女性非正規労働者の労働意識に関する分析」という3つのレベルでの分析を行い、今日進行しつつある、全般的な労働者の非正規化あるいは非正規の主流化・戦力化の中で、労働組合がいかに女性の非正規労働者を組織化しているのかを考察する。 本年度は、全労連および連合に関する最新資料を入手し、既存資料とあわせて、パート組織化をめぐるナショナルセクターの動きについての整理・分析を行った((1)レベル)。全労連では1999年に「婦人部」(現女性部)を立ち上げ、2001年には「パート・臨時労組連絡会」を設置している。また昨年(2006年)開催された第22回定期大会では、非正規労働者の組織化の本格的な推進をめざし、「全労連非正規労働者部会」の設置を決めている。他方、連合は、2001年の定期大会で「組合づくり・アクションプラン21」を決定し、パートタイム労働者の組織化やパートタイム労働者の組合作りを呼びかけている。事実、2003年までの2年間に82904人のパート組合員を組織化している。また、JMIU(全日本金属情報機器労働組合)についても本部を訪れ、現在の活動方針及び活動状況についてのヒアリングを行い、非正規労働者の組織化の方針案などを含む諸資料を入手し、整理・分析を行った((2)レベル)。JMIUは設立当初から非正規労働者問題を射程に入れており、1989年組織としての初めての春闘においても、パートなど不安定雇用についても正規雇用者の要求額を時給換算して盛り込み、パートの組織化についても具体的な取り組みをしていた。「丸子警報器労働組合」にっいては、入手済みの丸子警報器労働組合の大会資料の一部についてデータベース化を終了した。
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