2008 Fiscal Year Annual Research Report
在日済州島出身者の生活史調査-解放直後の生活過程と意識-
Project/Area Number |
18530386
|
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
伊地知 紀子 Ehime University, 法文学部, 准教授 (40332829)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤永 壮 大阪産業大学, 人間環境学部, 教授 (00247876)
|
Keywords | 済州島 / 生活史 / 在日 / 4・3事件 / 東アジア / オーラル・ヒストリー |
Research Abstract |
2008年度は、日本では5名の方に生活史調査を実施した。日本で生活史を伺った5名は渡日時期も経路も異なっている。本研究は、こうしたそれぞれの生活史を社会学(伊地知)・歴史学(藤永)に文化人類学(高村・高)・経済学(鄭)を加えた学際的視野から内容について検討し編集を行っている。今年度は、研究代表者・分担者・協力者による研究合宿を開催し、これまでの調査研究について問題点や課題を検証し、調査内容について分析をすすめ、今後これらの研究成果の出版についての話し合いをもった。本年度は、日本でこれまでにインタビューさせていただいた方のうち3名については、『大阪産業大学論集人文・社会科学編』に掲載した。内容については調査対象者の了承を得たが、このうち1名の方は調査後にお亡くなりになったため遺族の方に了承を得ることが可能であった。こうしたことから、本研究テーマにかかる調査が急がれることを実感した。その他の方についてはテープ起こしをすすめ、1名については編集終了段階である。インタビュー内容の起こしは、本研究に関心を持つ大学院生・研究者に協力を依頼した。本研究は、プライバシーの問題に関わるものであるため、必ず調査対象者に調査後の内容を確認し、公表についての許可を得たのち公表・公刊している。 また、今年度はこれまでの成果を立命館大学で開催された国際シンポジウムで報告し、図書としては、伊地知紀子・村上尚子共著「解放直後・済州島の人びとの移動と生活史-在日済州島出身者の語りから」『日本帝国をめぐる人口移動の国際社会学』(不二出版、2008年)を公刊した。
|
Research Products
(5 results)