2008 Fiscal Year Annual Research Report
脱スティグマ化とノーマライゼーションの文化的・相互行為的条件の研究
Project/Area Number |
18530392
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
中河 伸俊 Osaka Prefecture University, 人間社会学部, 教授 (70164142)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田間 泰子 大阪府立大学, 人間社会学部, 教授 (00222125)
宮脇 幸生 大阪府立大学, 人間社会学部, 教授 (60174223)
工藤 宏司 大阪府立大学, 人間社会学部, 講師 (20295736)
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Keywords | スティグマ / ノーマライゼーション / 不妊 / FGC / ひきこもり / カテゴリー化 |
Research Abstract |
中河は、共同研究を統括するとともに、スティグマのノーマライゼーションをカテゴリー化実践という視点から解明する理論的作業を推し進め、さらに地方中核都市T市での障害者自立関連のNPOのフィールド調査を前進させた。田間は、ノーマライゼーションの観点から出産と不妊の研究を進め、学会発表を一件行い、雑誌論文を一本公刊した。また、2009年3月27日に開催された国際シンポジウム「ケアから考える新しい社会-歴史学/思想/社会学の視点から」(大阪府立大学女性学研究センター・梨花女子大学アジア女性学センター他主催)を共催、オーガナイザー兼コーディネイターとして、高齢であることや子どもをもつことが社会的に排除されない社会(つまりノーマライゼーションの達成された包括的社会)を目指すシンポジウムを実施した。宮脇は、エチオピアで収集した政府およびNGOのパンフレットの分析を通して、エチオピアにおける「有害伝統廃絶運動」の言説が、いかに伝統を「真正なもの」と「有害なもの」にカテゴライズし、FGCを「有害な伝統」の象徴としているのかを検討した。また文献調査により、エチオピア以外のアフリカにおけるFGC廃絶運動が、いかにFGCをスティグマ化するのか、また欧米諸国に居住するアフリカ人移民の間で、FGCが民族への帰属意識を象徴するものから、隠すべきものへと変化するのかを検討した。工藤は、社会学的ひきこもり研究会のメンバーとともに、このテーマについての書籍を公刊、具体的には、「ひきこもり」にまつわる日本社会の政策動向および統計調査にまつわる論点整理の章を担当した。
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