2006 Fiscal Year Annual Research Report
「情報インフラ」と「市民メディア活動」の融合による地域活性化に関する研究
Project/Area Number |
18530399
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
松野 良一 中央大学, 総合政策学部, 教授 (10365885)
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Keywords | 市民メディア / パブリック・アクセス / 地域情報化 / 地域活性化 / 社会情報 / GPS / Web2.0 / 市民放送局 |
Research Abstract |
1、地域情報化における問題点の発見と解決策の提示 (1)地域情報化と市民をつなぐ方法の不活性 地域情報化に市民参加を促すために、市民掲示板、地域SNSなどが導入され実験されているが、うまく機能しているところは少ない。今回の研究で、掲示板やSNSだけを構築しても、市民が話し合うネタ、つまり話題や課題が提供されないとコミュニケーションは発生しにくいことがわかった。市民が相互に議論できるトピックスを提示することがコミュニケーションの発生につながることがわかった。 (2)地域情報化への市民参加を促す新しいメディアツールの開発 松野研究室では、シックスアパート社の協力を得て、「新聞プログ」を開発した。これは記事と写真をテンプレートに入れてアップロードすれば、Web上で新聞風のレイアウトのプログが立ち上がるもので、A3版で印刷することもできる。これは、(2)の研究成果を踏まえて、地域住民が日常的な話題や課題を「新聞プログ」に書くと、それにコメントやトラックバックが付きコミュニケーションが発生するように設計した。今後、実証実験を続け改良をおこなう。 2、「情報インフラ」と「市民メディア活動」の融合実験 (1)「子ども放送局」サイトの構築 福井県高浜町と東京都昭島市において、融合実験をおこなった。福井県高浜町は原発立地地区でもあり、高度の情報インフラが整備されている。地域最大の祭りである「若狭高浜漁火想」を小中学生がリポートして番組を制作し、CATVだけでなくWeb上でも配信する実験をおこなった。東京都昭島市も同じく光ファイバーサービス地域であるが、同市立つつじが丘南小学校の児童が地域番組を制作しCATVで放送しWebでも配信した。児童制作のコンテンツをアーカイブした「子ども放送局」(http://www.kodomotv.net/)を構築した。コンテンツ視聴者は、高浜や昭島という「地域への関心度」が有意に上昇することがわかった。 (2)GPS付携帯電話を使った市民参加による地域情報化実験 GPS付の携帯電話で地域を回り、気づいたものを写真に撮りコメントをつけて送信すると地図上にマッピングされる実験を北海道稚内市で行った。実験の前後において、同実験に参加した人たちの「地域への関心度」「地域への好意度」「地域からの発信意欲」などが有意に上昇することがわかった。http://asahi-ato.jpのサイトを構築した。
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Research Products
(6 results)