2008 Fiscal Year Annual Research Report
「情報インフラ」と「市民メディア活動」の融合による地域活性化に関する研究
Project/Area Number |
18530399
|
Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
松野 良一 Chuo University, 総合政策学部, 教授 (10365885)
|
Keywords | 映像メディア / 表現活動 / コミュニケーション・デザイン / 地域情報化 / 地域活性化 / 新聞ブログ / GPS / 地域イメージ |
Research Abstract |
1.市民による映像メディア表現活動が地域活性化に有効に働くことを明らかにした。 福井県高浜町、東京都調布市、東京都八王子市における事例研究、および全国の主要な市民テレビ局を対象にした聞き取り調査の結果、「情報インフラ」を使って市民が映像メディア表現活動を行うことが、地域活性化につながることを明らかにした。 さらに、次の3つの視点を保持することで、より効果的になることがわかった。 (1)地域住民が情報の収集・発信者になること (2)地域住民が発信者になれるような表現教育の充実 (3)幸福度を増すためにコミュニケーションをデザインすること。 「官」主導よりも、「住民による住民のための表現・発信活動」(官との協働も含む)こそが、情報化から活性化につなげるために有効であることを明らかにした点に意義がある。 2.映像メディア表現活動によって開発される能力は、メディアリテラシーの上だけでなく、地域を再発見する能力、プロデューサーとしての視点の獲得、そして、コミュニケーション能力など、地域活性化に結びつくものが多いことを明らかにした。 3.記事と写真を入力すると新聞風のレイアウトでWeb上に表示される「新聞ブログ」を2007年度に開発し、2008年度はそれを使って全国14都道府県の15小学校で運用し学級新聞作りを行った。その結果わかったことは、(1)印刷された「新聞ブログ」は手書きの学級新聞よりも本物らしく情緒的なインパクトが大きいこと(2)Web上で新聞を作るという遊具性が通常の授業よりも学習意欲を高める効果があること(3)調べ学習だけでなく実際に地域に取材に出た場合は、新聞作成者の表現意欲や発信意欲が大きくなること(4)Webや光ファイバーなどの「情報インフラ」に関する理解度、活用意欲、親切性が上昇すること、などがわかった。「新聞ブログ」は地域活性化の情報インフラとして有効であるとえられる。 4.独自に開発したGPS付携帯電話を使った市民参加型コンテンツ自動生成システム「あしあと.jp」の運用実験を行い、(1)携帯電話を使って写真とコメントを投稿したユーザーは、有意に地域への関心度、発信意欲を上昇させること、(2)生成されたコンテンツを閲覧した者は、地域イメージを有意に上昇させること、などがわかった。コミュニティ作りのツールとして、GPS付携帯電話が有効に働く可能性を示した。
|
Research Products
(10 results)