2008 Fiscal Year Annual Research Report
規制緩和・経営合理化(リストラ)による労使関係・勤労意欲の変化
Project/Area Number |
18530410
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
河西 宏祐 Waseda University, 人間科学学術院, 教授 (20015837)
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Keywords | 私鉄産業 / 規制緩和 / 経営合理化 / 労使関係 / 契約社員 / 現場協議制 / 労働組合 |
Research Abstract |
(1)本年度は、研究課題を遂行するために、規制緩和・経営合理化による非正規社員の増加と、これに対する労使の対応を研究課題とした。 (2)具体的には、私鉄産業A社を対象として、「非正規社員の正社員化」問題に焦点を絞って調査研究を行った。 (3)A社では、2006年秋闘において、「正社員と契約社員の賃金体系を一本化することを目指す」という労使協定が締結された。このことは、契約社員制度の廃止に繋がることが予想され、全国的に注目された。 (4)本研究においては、この重要な問題に焦点を合わせ、その後の労使交渉の経過を把握することに努めた。 (5)その結果、以下の諸点が明らかになった。 (1)経営側が主張する賃金体系は、職階職務給であり、組合側が主張するのは年功給であった。 (2)双方の主張の隔たりは大きく、労使交渉が繰り返された結果、一定の妥協案が作成された。双方の主張が整理されていく過程には、極めて興味深い論点が多く含まれている。 (3)この妥協案を職場討議にかけた結果、様々な意見が出され、それに基づく組合側の修正案が提出された。 (4)さらに長い労使交渉が繰り返された結果、労使による妥協が成立し、新たな賃金体系が成立した。この過程もまた、極めて興味深い論点が含まれている。 (6)以上は、全国的にみても、日本の労使関係史にとって重要な成果となった。実態調査を通して、以上の過程に関する詳細な資料を収集し、正確に把握できたことは大きな成果であった。 (7)現在、これに関する報告書原稿を執筆中である。
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