2006 Fiscal Year Annual Research Report
ウガンダ・アルバート湖岸地域の漁村における人的ネットワークとコミュニケーション
Project/Area Number |
18530428
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Shitennoji University Junior College |
Principal Investigator |
田原 範子 四天王寺国際仏教大学短期大学部, 助教授 (70310711)
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Keywords | ウガンダ / アルバート湖 / アルル人 / ナイルパーチ / メディア / コミュニケーション / 親族ネットワーク / 共同体 |
Research Abstract |
本研究が対象とする湖岸地域-出身地域-都市部をまたいで移動する人びとは、日常生活に必要な情報を得るために、親族や同民族集団のネットワークを駆使し、コミュニケーションを図っている。ウガンダにおける村落地域におけるメディア環境の実態把握およびそうしたメディア利用の実態とコミュニケーションの状況を調査した。ウガンダ政府情報省のコミュニケーション改善改革案によって、携帯電話の公衆電話化が進み、遠隔地の親族ネットワーク維持が従来のラジオから携帯電話へと移行しつつある状況が確認された。しかし携帯電話の公衆電話化はコミュニケーションを安価に容易にしたと同時に、それを持たないもの利用できないものとの格差を広げつつある。 一方、マクロな状況に目を転じると2006年の同地域は従来を上回る社会的経済的変容が生じていた。ナイルパーチの世界市場の価格高騰により、インド系の大規模加工工場が建設され、操業を開始した。これにより500人以上の漁業者と労働者が雇用され潤沢な資本による大規模漁業が推進されている。またアルバート湖岸に石油が発見されたことからオーストラリアの採掘業者がホイマへ来ることで、ホテル、商店を始めホイマの商業施設は活気づき、インターネットカフェをはじめとするメディア環境が急速に改善された。 こうした社会的経済的変化にもかかわらず、日常の糧を得るための零細漁業を行い湖岸地域に暮らす漁民、旱魃や土地の貧困により西ナイル地域から流入してくる移民の生活にほとんど変化は見られないことが明らかになった。
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Research Products
(1 results)