2007 Fiscal Year Annual Research Report
ウガンダ・アルバート湖岸地域の漁村における人的ネットワークとコミュニケーション
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18530428
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Research Institution | Shitennoji International Buddhist University Junior College |
Principal Investigator |
田原 範子 Shitennoji International Buddhist University Junior College, 准教授 (70310711)
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Keywords | ウガンダ / アルバート湖 / アルル人 / 国際情報交換 / 漁村コミュニティ / 湖岸管理単位 / コミュニケーション / 親族ネットワーク |
Research Abstract |
ウガンダの湖をめぐって、一方に外貨獲得のための水産資源保全を最優先する国家があり、他方に生活のために漁撈に勤しむ人びとがいる。両者の利害が対立するなかで、水辺の問題の解決を目的にして、アルバート湖岸の漁村では2004年より水産資源局[Department of Fisheries Resources]の主導によって湖岸管理単位[Beach Management Unit]が各湖岸に順次導入された。研究代表者は現地の研究支援者とともにブリッサ県の6湖岸、ホイマ県の9湖岸、ネビ県の2湖岸における湖岸管理単位の導入と運用の状況について、スタッフと漁撈に携わる人びとの聞き取り調査を行った。各湖岸によって、BMUと地方行政LC1の関係、BMUと水産資源省担当役人DFOの関係、BMUと湖岸監視を行う海軍との関係、BMUと漁業関係者の関係は多様である。各BMUに共通する問題は違法な漁網の対処方法であった。違法な漁具をめぐって漁労者に対してBMUは懲罰機関でもあり、海軍や警察の監視員を懐柔する仲介組織ともなっていた。またBMUの民族構成比率は、地域コミュニティの比率を反映したところもあれば、地域の支配コミュニティの意向によって支配民族によって占められているところもあった。外来者包摂度合いの差異については、今後の課題である。また、2003年にこの地域で「再」発見された石油が各湖岸にどのような影響を及ぼしているのか、漁村社会をどのように変容させるのかについて、漁村のフィールドワークに加えて地域行政官、水産資源省、アルバート湖にかかわるNGO団体に聞き取り調査を行った。その結果、湖岸管理単位は画一的な基準で導入されたが、各湖岸の状況にあわせて多様に運用されていること、石油が各湖岸のコミュニティに生活の格差をもたらし始めていることが明らかになった。
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Research Products
(3 results)