2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18530441
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
所 道彦 Osaka City University, 大学院・生活研究科, 講師 (80326272)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 真 兵庫大学, 経済情報学部, 教授 (10186629)
小川 哲生 千葉大学, 法経学部, 准教授 (10384869)
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Keywords | 東アジア / 福祉国家 / 社会政策 / 社会開発 |
Research Abstract |
目的 本研究は、かねてから議論されてきたアジアの福祉国家比較研究の課題と問題点を明らかにするとともに、現地の研究者のネットワークとの共同作業を通じて、研究成果におけるタイムラグを減らし、急速な経済発展と少子高齢化などの社会的変動が起きている東アジア諸国の福祉政策について最新の情報を収集し・分析し、今後の東アジア諸国を含めた比較研究のための基本的な資料を整え、今後の国際比較研究に貢献することを目的とした。 成果 (1)東アジア諸国における福祉システムの確立・変容過程に関する文献研究を進め、東アジア福祉国家比較のフレームワークを確定した。東アジア福祉国家比較のレジーム研究については、従来のアプローチをそのまま当てはめるのではなく、近代化の時間差の概念を導入することが益であること、インフォーマル、ボランターセクターなども含めた福祉多元主義に焦点を当てたアプローチが有益であること、福祉国家の規制面について今析することが必要であること、また、規制面で国家官僚の果たす役割などを分析することの重要性が確認された。 (2)これまでの国際比較研究で用いられた脱商品化、脱家族化といった指標では東アジア福祉国家の比較研究には不十分である。そこで、オルタナティブの一つとして、近年、ヨーロッパにおいて注目されている「ソーシャル・クオリティー・アプローチ」の可能性を検討した。「ソーシャル・クオリティー・アプローチ」は、「個人の生活の質」に加えて、「社会の質」と「社会権」の2つにも着眼し、「指標化した社会の質」を比較研究に道入するものである。給付面や制度面だけでなく「社会的包摂」や「社会的エンパワーメント」の状況を比較する上で有益であることが、各国研究者との協議作業等によって確認することができた。東アジアを包括するSQの指標化作業等は、今後の福祉国家比較研究にとって重要な研究および政策課題となっている。
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Research Products
(5 results)