2007 Fiscal Year Annual Research Report
大学における医療ソーシャルワーカー養成教育の現状とあり方に関する基礎的研究
Project/Area Number |
18530447
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
永野 なおみ International University of Health and Welfare, 医療福祉学部, 講師 (80342012)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小嶋 章吾 国際医療福祉大学, 医療福祉学部, 准教授 (90317644)
竹中 麻由美 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 准教授 (60341153)
横山 豊治 新潟医療福祉大学, 社会福祉学部, 准教授 (00339970)
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Keywords | 医療ソーシャルワーカー / 医療ソーシャルワーク / 医療福祉 / 養成教育 / 社会福祉教育 / 教育 / 社会福祉 |
Research Abstract |
本研究では、昨年度に社会福祉系大学に対する調査を行い、一部の大学を除けば社会福祉士指定科目のみと言ってよい医療ソーシャルワーカー養成教育の不十分な現状を明らかにしたが、今年度は全国の現任の医療ソーシャルワーカーを対象に、受けてきた教育とその評価に関する調査を行った。全国47都道府県の医療ソーシャルワーカーの職能団体の内、36団体の協力を得て、郵送またはメール配信により、合計8,300人の会員に調査票を配布した。現任の医療ソーシャルワーカーまたは経験者に該当する会員に回答を依頼し、2,120人から回答を得た。会員総数に対する回収率は25.5%である。回答者は、経験年数0〜5年未満が49.7%、5〜10年未満が29.4%を占め、大学で社会福祉を専攻した人は75.3%、社会福祉士有資格者は78.1%と、近年の社会福祉士養成教育を受けて医療ソーシャルワーカーとなった人が大部分である。しかし病院での実習(日数不問)は、大学等の単位実習経験者が22.9%、自主実習経験者が31.0%のみで、半数は未経験であった。また就職前、わずかでも実習以外に医療ソーシャルワークについて学んでいるのも39.5%のみで、業務のため必要な科目として特に多くあげられたのは、医療ソーシャルワーク実習、医療ソーシャルワーク演習、医療ソーシャルワーク論等いずれもごく基本的なものであった。現任者の自身の受けた教育に対する評価は低く、不十分とした人が62.8%、そもそも医療ソーシャルワーカーとしての教育を受けていないとした人が24.5%であった。これらの結果は、昨年の調査結果とも符合するもので、保健医療領域で働くためのスペシフィックな教育を行わない養成のあり方が、社会福祉の専門性を発揮することを妨げるものとなっており、現任者も必要性を指摘した基礎的な科目を学部教育に位置づけることが必要である。
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