2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18530448
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo International University |
Principal Investigator |
小田切 紀子 東京国際大学, 人間社会学部, 助教授 (10316672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村井 美紀 東京国際大学, 人間社会学部, 助教授 (70275808)
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Keywords | 離婚家庭 / 自立支援 / 離婚家庭の子ども / 離婚の真実告知 / セルフ・ヘルプ・グループ / 親子葛藤 |
Research Abstract |
本研究は、離婚後に子どもと母親が新しい生活に適応し、自立できるように支援することを目的としている。そのために、平成18年度は計画通り母親と子どもへのインタビュー調査と、子どもたちの合宿を実施した。主な概要は以下の通りである。 1 子どもに対するインタビュー調査 ・実施人数14人(15歳〜26歳、男子7名、女子7名) ・結果の概要 インタビューした子どもはすべて、離婚家庭の子どものセルフ・ヘルプ・グループ「ジュニア・ハンド」のメンバーで母親と暮らしている。家庭が経済的に苦しいことを理解しており、生活の様々な場面や進学時に親への遠慮が認められた。家庭に父親がいないため母親と子どもの心理的距離が近く、子どもは母親を精神的に支え反抗せずに概して健気だった。その一方で、母子関係が密接なため葛藤状態になりやすく母親と激しくぶつかる子どももいた。また、子どもは離婚の真実告知をされていないことが多くそのため、離婚に関して勝手に思い込んで、親に遠慮をしたり時に反抗しており、真実告知と告知後のサポートの必要性が明らかになった。 2 母親に対するインタビュー調査 ・実施人数9人 ・結果の概要 「ジュニア・ハンド」のメンバーの母親にインタビューを実施した。母親たちは、離婚したことに対して後ろめたさや自責の念があり、親たちのセルフ・ヘルプ・グループには参加しにくく感じている場合が多かった。しかし、子どもにはジュニア・ハンドの必要性を感じ多くを期待していた。子どもに真実告知をしていない場合が多く、そのことが母と子の大きなすれ違いを生んでいた。 3 離婚家庭の子どものセルフ・ヘルプ・グループの合宿 平成18年8月に子ども15人とボランティアによって合宿を実施した。子どもは、離婚そのものから生じる問題だけでなく、成長過程で生じる他の発達課題にも直面しており、個別的で長期的な支援の必要性が明らかになった。
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