2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18530448
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Research Institution | Tokyo International University |
Principal Investigator |
小田切 紀子 Tokyo International University, 人間社会学部, 教授 (10316672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村井 美紀 東京国際大学, 人間社会学部, 准教授 (70275808)
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Keywords | 離婚家庭 / 自立支援 / 離婚家庭の子ども / 離婚の告知 / セルフ・ヘルプ・グループ / 離婚の意味づけ / 語り |
Research Abstract |
本研究の目的は、離婚を当事者の母親とその子どもの双方から捉え、離婚が母親と子どもに与える影響と離婚を乗り越えるための課題を検討し、離婚家庭の自立に向けての支援を提示することである。この目的のために離婚家庭の母親と子どもに面接調査を実施し、セルフ・ヘルプ・グループ(SHG)の意義と可能性を検討した。 1 母親に対する面接調査 対象は、SHGのメンバー14人とグループに属していない5人の合計19人で、平均年齢47.8歳、子どもの平均年齢22.0歳、離婚後平均13.3年過していた。離婚後の生活の適応に影響を与える要因は、離婚理由と子どもの問題行動の有無、家庭の経済的状況、母親の自己評価と対人スキル、元夫の状況、実家との関係であり、離婚後の課題は、子どもとの適切な距離と子どもへの離婚理由の告知、離婚の意味づけの変換であった。 3 子ども対する面接調査 面接対象の母親の子ども19人(SHGのメンバー)で、平均年齢は21.4歳、男性8人、女性11人であった。離婚後の生活の適応に影響を与える要因は、父親・母親との関係、学校適応、サポート状況であり、離婚後の課題は親からの心理的自立、親の離婚への意味づけの変換であった。 4 離婚家庭の母親と子どもへの支援 母親と子どもは離婚への意味づけを変容することが重要な課題だった。母親たちは離婚後10年以上が経過し離婚を乗り越えたかのように見えたが、離婚を人生の恥、失敗と捉え自己評価が低く、子どもへ離婚理由を十分に話していなかった。離婚の意味づけを変容するためにはSHGで離婚にまつわる感情を語り尽くすことと社会の離婚に対する偏見意識の変容が重要だった。他方、子どもは父親と母親から心理的に自立し、自分の枠組みで父親を評価し離婚は父親と母親の関係性の問題と認識して、親の離婚問題から距離をおく必要があった。そのためにはきょうだいとSHGのサポートが重要であった。
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Research Products
(1 results)