Research Abstract |
18年度は,2つの調査研究を実施した。 1つは,介護保険改正直前の,特別養護老人ホーム職員のターミナルケア意識を明らかにするため,N県下での調査で,55.7%の職員が施設における死の看取りに積極的に取り組みたいと考えており,死の看取りの意識の関連要因は,職種,年齢,看取り人数および職務経験年数,施設の立地場所だった。 2つ目は,F県とN県2つの県での,166名の「老人介護施設で働く看護師のターミナルケアのジレンマの調査研究であった。施設看護師のジレンマ内容は,<本人家族のケアの難しさ>が一番であった。以上の2つの研究により,介護支援職への研修としては,ターミナルケアにおける「身体アセスメント」および「家族ケアの方法」が重点課題であることが,明らかとなった。 さらに19年度はN県下の老人保健施設職員のターミナルケア意識を調査し,特養と比較した。 上記の結果を踏まえて,介護老人医療施設での「ターミナルケア研修」およびケアマネージャーに「ターミナルケアの基本と支援」の研修を19年度に行った。研修効果として,知識面で「わかった」の回答が多かった。研修を実施しつつ実践を積み上げる(経験知を増やす)ことが,老人施設ターミナルケアの推進には重要であるが,家族支援の困惑が大きいことから,今後研修方法としてワークショップ等の方法が必要と考える。 介護支援職の調査,研修の実施,評価の一連を,随時学会および論文で公表すると共に,介護保険法や自立支援法の実際の問題,地域(コミュニティ)支援のこと,家族支援方法論もあわせて研究を行った。
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