2007 Fiscal Year Annual Research Report
ベトナムのソーシャルワーカー養成における現状理解に関する基礎的研究
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18530462
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Research Institution | Shuchiin University |
Principal Investigator |
向井 啓二 Shuchiin University, 仏教学部, 准教授 (20319453)
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Keywords | ソーシャルワーク / 南部と北部の相違 |
Research Abstract |
平成19年度は、主に民間社会福祉施設及びハノイ市内の大学での調査を行った。民間施設については、フエ市とハノイ市の仏教系社会福祉施設への調査を実施し、既に同様の調査を行ったホーチミン市内の施設との比較が可能なように調査を実施した。その結果、南部と異なり北部では、教育と社会福祉が未分離であり、社会福祉施設でありながら教育実践を行っていることが理解できた。また、中部都市では、国の施設が行き渡らず独自の努力で社会福祉及び教育実践を行っていることが理解できた。 ソーシャルワーク学部を有する大学への調査は、ハノイ市内の大学・短大への調査を実施した。その結果、(1)社会福祉の捉える方が南部とは相当隔たりがあることが理解できた。つまり、社会的弱者全体に対応するワーカー養成を考える南部の大学に対し、北部の大学では、特定の階層ないし、特定の対象者に対するワーカー養成が主もであると同時に政策的な対応をするためのワーカー養成が考えられている。(2)ワーカー養成にあたる教員も、南部と北部では、教育経験及び教員としての学習量にも相当の開きがあることも理解できた。南部ではこれまでのワーカー養成の経験を踏まえ、相当な学習がなされているが、北部の教員は、他大学で実施された教員向け講習会などに参加し、学習したことがそのまま利用され、教育がなされているようである。しかも、教員としての訓練も少なく、果たしてそのまま教育に携わって良いのか、と疑問に感じることもある。これらの問題であるは、国の施策を受けたものであるだけに急激な変化が生じた結果起きている問題であろうと想像するが、それだけでなく、社会福祉に対する理解の相違にも原因すると考えられる。
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Research Products
(2 results)