2007 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者福祉の地域間格差に関する国際比較研究-日本・中国・韓国を中心に-
Project/Area Number |
18530464
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Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
朴 光駿 Bukkyo University, 社会福祉学部, 教授 (30351307)
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Keywords | 東アジア / 比較研究 / 地域間格差 / 高齢者福祉 / 家族主義 / 非公式的福祉 / 東アジア価値 |
Research Abstract |
19年度は東アジアの高齢者福祉における地域間格差の実態・原因について、東アジア文化という側面に重点をおいて研究した。東アジア文化とは何か。それが高齢者福祉の姿にどのような影響を与えているのかについて研究を行った。本研究においては、家族主義と知識を大切にする生活様式という2つの文化を、社会福祉に大きな影響を与える東アジア文化とみている。特に、家族主義の影響について、その性格の裏面には高齢者を扶養する家族に対して、人事上の優遇、税制支援、住宅購入時の優遇など、いわゆる「非公式的福祉」があることが確認された。 日本・韓国・中国における高齢者福祉の地域間格差については、その実態を明らかにするとともにその格差の説明を試みた。経済社会発展水準の異なる異質的地域である東アジアにおいては、自然条件や社会的慣習などの歴史的要因による地域間格差は別にしても、国家政策ないし国家戦略(政策優先順位の問題)、産業発展の選択的支援や人口移動を抑制する政策、社会保障制度の特性に起因して、発生する都市・農村間の格差問題に注目する必要がある。中国においては、高齢者福祉を所得保障、医療保障、住宅保障(居住保障)、介護保障の4つの領域に分けて都市・農村間の格差を明らかにした。韓国においては、首都圏と非首都圏の格差、大都市・中小都市・農村間の格差を考察した。
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Research Products
(4 results)