2006 Fiscal Year Annual Research Report
キリスト教福祉における社会福祉援助の価値に関する調査研究
Project/Area Number |
18530472
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nishikyushu University |
Principal Investigator |
滝口 真 西九州大学, 健康福祉学部, 准教授 (20258635)
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Keywords | ソーシャルワーク / キリスト教 / キリスト教社会福祉 / 援助観 / 倫理 / 価値 / 哲学 |
Research Abstract |
本年度は、10名のクリスチャンソーシャルワーカー及び日本キリスト教社会福祉学会所属の研究者に対してインタビューを実施した。これは、従来からのキリスト教思想並びに価値を基盤とする社会福祉援助観の概念図及び聖書理解を検証するための質的研究の一環であり、調査対象者10名の内訳は、研究者6名、福祉現場ソーシャルワーカー及び管理者4名であった。同時にアンケートによる量的研究の一環として、キリスト教社会福祉援助観に関連した調査票については、クリスチャン研究者3名及び統計専門研究者2名による内容的妥当性の検証を依頼し、新たな質問群の抽出を試みた。しかし、量的調査における内容的妥当性の検討においては、調査依頼者数人から研究内容の性質上、量的調査では限界があり、質的調査による内容的検証がさらに求められるなど複数の調査依頼研究者から示唆を得た。本指摘事項については、来年度の継続課題でもあり今後さらに検討を試みる。 今年度得られた成果としては、本研究テーマである「キリスト教における社会福祉援助観」を検証するにあたり、(1)聖書理解におけるコメンタリーを基本にした解釈及び考察の必要性、(2)、(1)とソーシャルワークとの関連性の再検討、(3)質的調査の内容的検討、(4)質的研究データ化の処理における妥当性の検討、(5)仮説による援助観モデルの内容的検証など大きく5項目が導き出された。本年度はこれらの成果の一部を日本社会福祉学会第54回大会、日本キリスト教社会福祉学会第48回大会及び日本社会福祉実践理論学会第23回大会においていずれも単独報告を実施した。 来年度においては、新たに得られた上記5項目において更なる文献収集とインタビュー調査を通して、キリスト教社会福祉援助観の特徴について考察を深めていく予定である。
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