2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18530476
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
吉田 富二雄 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 教授 (80182781)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小玉 正博 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 教授 (00114075)
湯川 進太郎 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 助教授 (60323234)
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Keywords | インターネット / 攻撃性 / 社会性 / ウェブログ / オンラインゲーム / チャット / 匿名性 / 自己意識 |
Research Abstract |
本年度は,インターネット行動と攻撃性について,調査(研究1)・実験(研究2)を行った。 【研究1】では,インターネット上の行動内容を,自己の表出・他者との関係・現実とのバランスという3つの領域に基づいて検討するとともに,それらの行動が現実生活における攻撃性や社会性にどのような影響を及ぼすのかについて検討した。オープン型ウェブサイト調査もしくは質問紙調査によって得たインターネット利用者763名からの回答を分析した結果,ネット上での行動内容は,自己演出・自己開示・自己客観視(自己の表出),所属感獲得・対人関係拡張・攻撃的言動(他者との関係),没入的関与・依存的関与・非日常的関与(現実とのバランス)という3領域9側面から捉えられることが示された。そして,これらの行動の中でも,攻撃的言動・没入的関与・依存的関与によって現実生活における攻撃性は高められるものの,自己客観視や所属感獲得により社会性が促進されることもあることが示唆された。 【研究2】では,インターネットが攻撃性に及ぼす効果について,チャット場面(CMC)と対面場面(FTF)との比較を行った。その際,CMCは参加者の私的自己意識および課題志向性を高め,公的自己意識を減少させ,その結果,参加者の攻撃性を高めるだろうと予測した。男子大学生24名を実験対象とし,各参加者をCMC条件とFTF条件の両方でディスカッションさせた。そして,参加者の攻撃性について,内容分析,他者評定,自己報告の三側面より測定した。その結果,(1)参加者はFTF条件よりもCMC条件において攻撃性が高いこと,(2)CMCは公的自己意識を低下させ,課題志向性を高めること,(3)CMC条件では私的自己意識と課題志向性が攻撃性を促進すること,の3点が明らかとなった。
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